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「実質0円」廃止のインパクト、変わるスマホのパワーバランス
──実売から見た、駆け込み購入と反動減の実態

2016年3月9日

スマートフォン(スマホ)の「実質0円」販売が2月で終了した。1月の駆け込み購入の反動もあり、2月のスマホの販売台数は前年比で82.5%と大幅ダウン。NTTドコモ、au、ソフトバンクの3大キャリアの販売台数はそれぞれ前年比で2割から3割減少した。一方、このところ拡大が続いているSIMフリースマートフォンは前年比で1.5倍に増え、スマートフォンに占める販売台数構成比も17.9%と過去最大を記録した。販売方法の変更が、スマホ市場に大きな変化を起こしている。全国の主要家電量販店などの実売データを集計する「BCNランキング」で明らかになった。

■3大キャリアが2月に急ブレーキ、軒並み3割前後の前年割れ

 総務省から「スマートフォンの料金負担の軽減及び端末販売の適正化に関する取組指針」が発表されたのが2015年12月18日。「MNP利用者等に対する端末購入補助について、端末の価格に相当するような行き過ぎた額とならないよう、適正化に向け取り組むこと」などを、NTTドコモ、au、ソフトバンクの3大キャリアに「要請」した。指針では改善状況の把握とさらなる指導を2016年2月以降実施するとし、1月いっぱいでいわゆる「実質0円」でのスマホ販売がなくなることになった。

 このため、12月、1月と駆け込みのキャンペーンが実施されたり、2月以降スマホの本体価格が上昇するのでは、との観測が広まったりしたことで市場が一時的に活性化。販売台数前年比で12月が115.6%、1月が138.6%と大きく伸びた。3キャリア別に見ると、1月に最も販売を伸ばしたのはNTTドコモで前年比139.7%、次いでソフトバンクが137.5%、auが135.6%と軒並み4割弱の前年比増を記録した。しかし、2月に「実質0円」が終息した後は、全体で同82.5%と販売台数が急激に落ち込んだ。最も落ち込みが大きかったのはauで67.6%、NTTドコモが68.6%、ソフトバンクが77.0%という結果に終わった。


■好調続くY!mobileとSIMフリースマホ、アップルのシェアは17.1ポイント減

 3大キャリアを尻目に販売台数を伸ばしているのがY!mobileだ。1月、前年比155.4%と販売台数を大きく伸ばした上、2月も170.2%とさらに拡大した。Y!mobileは、ソフトバンクの通信ブランドの一つだが、ウィルコムとイー・モバイルのブランドを統合したものであるため、自らPHS回線を提供するMNO的な性格と、ソフトバンクの回線を販売するMVNO的な性格の二つの顔を持つ。データ通信ではほとんどでソフトバンクのLTE回線を提供していることもあり、スマホという観点からはMVNO的な性格が強いといえる。そのため他の3大キャリアと料金体系などが異なり、安価であることから、販売が伸びているようだ。また、SIMフリースマホも、2月時点で前年比156.3%と大きく伸びている。また、スマホ全体に占めるSIMフリースマホの販売台数構成比は2月に17.9%と、過去最大を記録した。


 スマホのメーカー別で見ると、販売台数シェア上位4社のうち、1月の駆け込み購入で最も販売を伸ばしたのはアップルで、販売台数前年比で166.2%を記録。次が京セラで135.1%だった。一方、2月に最も販売台数が縮小したのはソニーモバイルで58.3%、次いでアップルで71.9%だった。ソニーモバイルはこのところ継続的に前年割れが続いており、2月の「実質0円」終焉がさらに追い打ちをかけた形になった。一方、SIMフリースマホを手がける各メーカーは依然堅調。スマホメーカー上位10社の中で最も販売台数を伸ばしたのは429.8%のプラスワンマーケティング。次いで、キャリア向けに端末を提供しつつSIMフリースマホも販売するファーウェイで196.4%。シェアでは9位ながら、NTTドコモに提供しつつSIMフリースマホも販売する富士通も145.2%と販売を伸ばした。

 また、スマホ全体のメーカーシェアは、アップルが首位独走であることには変わりがないものの、1月に62.8%から2月には45.7%と一気に17.1ポイントもシェアを落とした。2位以下のソニーモバイル、シャープ、京セラがそれぞれシェアを上昇させた。


■スマホ端末だけでなく、料金プランの見直しで市場構造も変化

 今のところ過激な割引販売はなりを潜めているスマホだが、このまま3大キャリアで大きな前年割れが続くようであれば、ギリギリの割引合戦が再燃することになるだろう。しかし、総務省の指針では料金プランの見直しも求めており、これにより収益減を招けば、これまでのような潤沢な販促費が捻出できなくなる可能性がある。さらに、SIMフリースマホとMVNOの拡大にともなって、ユーザーのスマホに対する「値頃感」も大きく変化している。「実質0円」廃止をきっかけとして、キャリアやスマホメーカーの力関係にも大きな変化が生じることになりそうだ。

BCNでは全国の量販店23社(アベルネット、アマゾン ジャパン、エディオン、NTTレゾナント、ケーズホールディングス、コジマ、サンキュー、上新電機、スタート、ストリーム、ソフマップ、ZOA、ドスパラ、ナニワ商会、ビックカメラ、ピーシーデポコーポレーション、ベスト電器、三星カメ ラ、ムラウチドットコム、MOA、ユニットコム、ラオックス、楽天ブックス=50音順・2016年3月1日現在)のPOSデータを日次で集計したBCNランキングを公表しています。*集計対象の社数は、当社と販売店との間でデータ提供契約を締結している法人数をカウントしています。


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※本件に関するお問い合わせは下記までお願いします。
BCNアナリスト 道越 一郎

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