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2003年1Qのビジネスソフト動向 ランキング交替に市場構造変化の兆し

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2003年第1四半期のビジネスソフト店頭販売動向
ランキング交替に市場構造変化の兆し


 株式会社BCN(本社:東京都文京区、代表取締役 奥田喜久男)の市場調査部門であるBCN総研では、2003年第1四半期(1月~3月)における店頭市場のビジネスソフト販売データを集計した。ベンダーシェアは2期連続でトップが入れ替わる群雄割拠の様相を呈している。また、ランキングの明暗には市場構造変化の兆しが見受けられ、ユーザーのニーズの変化を捉えるべく、ベンダーのシェア争いは今後ますます激化するものと予想される。

 
図1 ビジネスソフト店頭市場の販売動向(販売指数:2001年1Q=100)

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表1 ビジネスソフト店頭市場のランキング推移(本数ベース)

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 2003年第1四半期(1月~3月)の店頭におけるビジネスソフト販売は、本数ベースでは対前年同期比9.8%減、金額ベースは同12.6%減であった(図1)。本数ベースでのベンダーシェアは、ソースネクストが11.3%を占め、2位のシマンテックを僅差で抑えトップとなった(表1)。3位のマイクロソフトは、これまで「定位置」といえたトップの座を2期連続で奪われる格好となっている。2002年第4四半期におけるベンダーシェアは、はがき作成ソフトを主力としたクレオがトップとなり、「年賀状商戦」の盛り上がりを窺わせた。しかし、3期連続での首位の移り変わりをみると、短期的な商戦というよりも、大きな市場構造変化の兆しが見え隠れしているといえそうだ。

 
表2 ビジネスソフトの主要カテゴリー別対前年同期比増減率(2003年1Q、本数ベース)

表2


 全体としては低迷が続くビジネスソフト店頭市場において、2003年第1四半期に伸長を示したカテゴリーは、「携帯電話ソフト」(対前年同期比69.0%増)や、「マルチメディアソフト」(同54.9%増)などが挙げられる(表2)。「携帯電話ソフト」は、昨年第2四半期よりベンダーのシェア争いが激化しており、低価格化が進行するとともに、需要の裾野は大きく広がっている。「マルチメディアソフト」は、DVD編集用ソフトがユーザーの記録ニーズの高まりとともに好調な売れ行きを示している。

 ビジネスソフト全体で首位となったソースネクストは、「携帯電話ソフト」、「マルチメディアソフト」、「トレーニングソフト」といった伸びているカテゴリーで着実にシェアを稼いだ。一方、マイクロソフトのシェアは、次期「Office」の発売を控えた統合ソフトの落ち込みや、主力のOSソフト「Windows XP」関連製品の需要が一巡したとみられ、減少傾向となっている。

 比較的価格が高い機能豊富なアプリケーションや、PCヘビーユーザー向けソフトの落ち込みが目立ち始めている一方で、エンターテインメント性の高い製品やカテゴリーは、低価格化によりユーザーの裾野が拡大し、伸長を続けている。ランキングの明暗には市場構造変化の兆しが見受けられたといえ、ユーザーのニーズの変化を捉えるべく、ベンダーのシェア争いは今後ますます激化するものと予想される。

 
BCN総研は、東名阪のパソコン大手販売会社14社(エイデン、大塚商会=αランド、グッドウィル、コンプ100満ボルト、さくらや、上新電機、ソフマップ、九十九電機、T・ZONE.、デンコードー、ニノミヤ、ピーシーデポコーポレーション、ビックピーカン、ラオックス=50音順)700店舗(2003年2月現在)の日次販売データをデイリーで収集し配信するBCNランキングを公表しています。このデータをもとに、 PCリテール市場の動向を分析したニュース配信を行っています(毎月第2、第4金曜日の発行となります)。

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