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セキュリティ対策に関する調査 女性やPC初心者層における対策の遅れが顕著

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セキュリティ対策に関するアンケート調査
女性やPC初心者層における対策の遅れが顕著


 株式会社BCN(本社:東京都文京区、代表取締役 奥田喜久男)の市場調査部門であるBCN総研がweb上で行ったアンケート調査によると、自宅のPCに何らかのセキュリティ対策を講じているユーザーは92.9%に達した。猛威をふるった「MS Blaster」や「Sobig.F」等の大々的な報道は、ユーザーのセキュリティに対する関心を急激に高めたといえる。しかし、個々の対策をみると、女性やPC初心者層においては実施率が低い項目も見受けられ、「OSのアップデート」は半数に満たない結果となった。

 
図1 自宅PCのセキュリティ対策(複数回答)

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表1 自宅PCのセキュリティ対策・属性別(複数回答、%)

表1


 BCN総研がweb上で行ったアンケート調査によると、自宅で使用するPCに何らかのセキュリティ対策を講じているユーザーは92.9%に達した。昨年同時期に実施した調査結果に比べ7.2ポイントの上昇となっている。

 具体的な対策については、「ウイルス対策ソフトの利用」が75.9%と最も多く、「ウイルス(パターン)定義ファイルの更新」が60.2%で続いた(図1)。属性別にみると、PC歴5年以上のユーザーは様々なセキュリティ対策を講じている。一方、女性やPC利用歴5年未満ユーザーには実施率が低い項目もあり、「MS Blaster」対策として大きく報じられた「OSのアップデート」を実施しているユーザーは半数に満たなかった(表1)。

 
図2 「MS Blaster」報道等をきっかけに行ったセキュリティ対策(複数回答)

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表2 「MS Blaster」報道等をきっかけに行ったセキュリティ対策・属性別(複数回答、%)

表2


 「MS Blaster」などの一連のウイルス報道をきっかけに実施したセキュリティ対策については、回答者全体では「ウイルス定義ファイルを更新」(37.9%)、「ウイルス関連の情報収集」(35.2%)、「OSのアップデート」(34.8%)が上位に並んだ(図2)。属性別にみると、女性やPC歴5年未満のユーザーは、ウイルス関連の情報は比較的収集しているものの、具体的な対策の実施率は低く、約3分の1が「何もしていない」と回答した(表2)。

 セキュリティ対策に関する自由意見では、女性やPC初心者層から「具体的に何をすればよいのかわからない」や「不安はあるが、被害にあっていないので何もせずにいる」などの声が目立った。一方、PC歴が比較的長いユーザーからは「無防備なPCにより、加害者にもなりうることを一人一人が理解すべき」や「対策するのはネットワーク利用者として常識」などの意見が多く、両者の意識の差がみられた。

 「MS Blaster」等一連のウイルス騒動は、ユーザーのセキュリティに対する意識を高めたとみられる。しかし、具体的なセキュリティ対策の実施率は、女性や PC初心者層については依然として低い状況にある。ユーザーの視点にたったわかりやすいセキュリティ対策の仕方や情報の提供はもちろんのこと、個人のみならずネット社会全体の観点からみた対策の重要性についても、PC関連業界全体を挙げて更なる啓蒙活動を行っていく必要があるといえるだろう。


■セキュリティ対策に関する主な意見

【分からない・難しい】
●しないといけないとは思うんですがつい何も被害にあってないので何もせずにいます。(女性、31歳、PC利用歴:3年)
●ウイルス対策の案内などは多いのだが、表現や説明が専門的すぎて何をして良いのか判らない。もっと平易な説明が望ましい。(男性、43歳、PC利用歴:15年)
●具体的にどういうことをするのかわからない。説明文を読んでも、よくわからない。もっとわかりやすく、何をどうしたらよいのかを教えて欲しい。(男性、56歳、PC利用歴:3年)

【対策は常識】
●無防備なPCは自身が被害者になるだけでなく、加害者にもなりうるということを一人一人が理解し、適切な対策を講じることが重要だと思う。(男性、44歳、PC利用歴:8年)
●ウイルスはMS Blastに始まったわけではないので、なぜこんなに大騒ぎしているか分からない。対策するのはネットワーク利用者として常識である。(男性、28歳、PC利用歴:10年)
●初心者にこそセキュリティの大切さを教えるべきだと思う。インターネットが簡単でパソコンも簡単に使えることをまず教えてしまっているので、不安に思うときがある。良いところばかりでないことを教えるのも重要。迷惑をかけられるのは本人だけではなく、周りが多いのだから。(女性、33歳、PC利用歴:13年)

 
■調査概要
調査期間:2003年8月22日~8月26日
調査方法:弊社ホームページ(WebBCN)上でのアンケート
有効回答:2,105件

■回答者のプロファイル
性別:男性62.3%、女性 37.7%
年齢(平均年齢40.2歳):20歳未満0.8%、20~30歳未満11.6%、30~40歳未満38.2%、40~50歳未満33.3%、50~60歳未満12.2%、60歳以上3.9%
PC利用歴(平均8.8年):1年未満 1.5%、1~3年未満 7.2%、3~5年未満 19.4%、5~7年未満 18.1%
 
BCN総研は、東名阪のパソコン大手販売会社14社(エイデン、大塚商会、グッドウィル、コンプ100満ボルト、さくらや、上新電機、ソフマップ、九十九電機、T・ZONE.、デンコードー、ニノミヤ、ピーシーデポコーポレーション、ビックカメラ、ラオックス=50音順)685店舗(2003年8月現在)の日次販売データをデイリーで収集し配信するBCNランキングを公表しています。このデータをもとに、PCリテール市場の動向を分析したニュース配信を行っています。

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