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2003年のビジネスソフト店頭市場の動向 ソフトの低価格化が急進

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2003年のビジネスソフト店頭市場の動向
ソフトの低価格化が急進


 株式会社BCN(本社:東京都文京区、代表取締役社長 奥田喜久男)の市場調査部門であるBCN総研は、「BCNランキング」から 2003年のビジネスソフト店頭市場の販売動向をまとめた。2003年の市場規模は、本数ベースでは前年比94.4%、金額ベースでは同88.3%となった。ソフトの低価格化の影響で金額ベースでは大きく落ち込んだが、本数ベースでは1桁減にとどまった。
 市場を下支えしたのは、セキュリティソフトやハガキ・毛筆ソフトで、「MSブラスター」騒動や年賀状作成ニーズで8月から年末にかけて販売が上向いた。また、携帯関連ソフトが好調で、市場での存在感が高まった。ベンダーシェアでは、積極的な低価格戦略を打ち出したソースネクストがトップに躍り出るなど、市場の変動がみられた。

 
図1 ビジネスソフト市場の販売指数と前年同期比推移

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 「BCNランキング」をもとに集計した結果、2003年のビジネスソフト店頭市場は、本数ベースが前年比94.4%、金額ベースが同88.3%となった。平均単価は8,980円となり、2002年の9,600円から620円ダウンした。そのため金額ベースでは大きく落ち込んだが、本数ベースでは1桁減にとどまり、ビジネスソフトの底固い需要が伺えた。
 月次推移でみると、2003年の前半は本数・金額ベースともに前年を大きく下回る水準で低調に推移していたが、 8月以降は販売が上向き、減少幅は縮小傾向に向かった(図1)。8月の「MSブラスター」騒動や年末にかけての年賀状作成ニーズがソフト市場を下支えしたといえる。
 また、2003年1月を100とした指数推移でみると、12月は本数ベースでは151.0を達成しているのに対し、金額ベースでは116.8にとどまっており、ソフトの低価格化の進行がみてとれる。

 
表1 アイテム別構成比(本数)

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 アイテム別の構成比(本数)では、2002年に引き続き「セキュリティ」が18.9%で最も比率が高かった(表1)。2002年と比較すると、2003年は「携帯関連」が上位に挙がっているのが特徴的だ。カメラ付き携帯電話が普及し、カメラのスペックも向上したことで、画像編集・画像管理など新たな用途が同ソフトの需要を高めたとみられる。

 
表2 年間ベンダーシェア(本数)

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図2 ビジネスソフト市場ベンダーシェア推移(本数)

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 ベンダーシェア(本数)では、ソースネクストが15.6%を獲得。2位に4.7ポイントの差をつけてトップに躍り出た(表2)。同社は、2003年2月26日に主力製品を1,980円に値下げするという思い切った低価格戦略を打ち出し、12月末時点で「1,980円シリーズ」を150タイトルまで拡大した。ベンダーシェアの月次推移では、3月以降に同社のシェアが大きく伸びており、戦略の効果が大きくみられる結果となった(図2)。また年間のセールスナンバーワン・ベンダーを選ぶ「BCN AWARD 2004」でも7部門で受賞するなど、幅広いジャンルでその効果があらわれている。

 2004年もソフトの低価格化の波はさらに広がると予想される。ソフトの低価格化が、特定メーカーのシェア拡大にとどまらず、市場全体の拡大につながることが期待される。
 
※株式会社BCNでは、BCN AWARD 2004にて選定されたベンダー36社様、およびPOSデータ提供販売店様、等をお招きし、本日(2004年1月23日(金))青山ダイヤモンドホールにて「BCN AWARD 2004表彰式」を開催いたします。
 
BCN総研は、東名阪のパソコン大手販売会社14社(エイデン、大塚商会、グッドウィル、コンプ100満ボルト、さくらや、上新電機、ソフマップ、九十九電機、T・ZONE DIY、デンコードー、ニノミヤ、ピーシーデポコーポレーション、ビックカメラ、ラオックス=50音順)670店舗(2003年12月現在)の日次販売データをデイリーで収集し配信するBCNランキングを公表しています。このデータをもとに、PCリテール市場の動向を分析したニュース配信を行っています。

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