99年第4四半期のプリンタ店頭市場は初の100万台突破へ
株式会社BCNは(本社・東京都文京区、社長 奥田喜久男)の市場調査部門であるBCN総研は、99年第4四半期(10~12月)のプリンタ店頭市場の販売台数が四半期ベースでは初めて100万台を突破するとの予測を明らかにした。台数ベースでは、前年同期比14.9%増の110.5万台、金額ベースでは同15.5%増の386.4億円に達する見込み。なお、99年の年間販売量は台数ベースで312.2万台、金額ベースで1037.1億円と予測した。
99年第4四半期の大幅な販売台数の伸びは、大きく3つの要因に支えられている。第1の要因は、第3四半期の影響だ。第3四半期の店頭販売台数は台数ベースで前年同期比10.6%増の72.3万台、金額ベースで同3.3%増の220.1億円に達し、2桁成長を記録した。この背景には、人気モデルの実勢価格の低下があげられる。インクジェットの四半期ベースの販売価格帯度数分布をみると、第1・2四半期に「2~3万円未満」にあったボリュームゾーンが「1~2万円未満」にシフトしていることが読み取れる。低価格化した人気製品の在庫が第4四半期以降も持ち越されることで、プリンタ市場の底上げに貢献すると推測できる。
第2の要因は、PCの低価格化による初心者ユーザーの拡大である。「PCを初めて購入する消費者が増加、プリンタとPCの同時購入者が増えている」とコメントするショップは多い。99年第3四半期では、16万円以下のPCは全体の30%に迫るシェアを占めている。この傾向は第4四半期も続き、PCユーザー拡大の鍵になっていくものとみられる。これにより、プリンタ市場も大きな影響を受けると予測できる。
第3の要因は、主要プリンタベンダーの競合による市場の活性化である。99年第2・3四半期ともエプソンが53.9%、56.7%で過半数以上のシェアを獲得した。エプソンのシェアは拡大傾向にある。しかし、年末商戦に向けて、2位のキヤノン、3位のHP(日本ヒューレットパッカード)は、エプソンに迫る製品ラインナップを揃え、本格的にシェア奪還を狙っている。特にキヤノンは、積極的な広告宣伝活動を展開し、ユーザーの認知度も高まっている。3社の製品性能自体に大きな違いがみられなくなっているのも事実だ。
こうした動きには、インターネットや電子メールを利用目的とした初心者層の増加が大きく影響している。利用目的に見合った機能で、低価格、あるいはデザイン性の高いPCが登場したことが結果的に販売量の底上げにつながったと考えられる。
BCN Market Viewの実売データに以上3点の要因を加味して99年第4四半期のプリンタの店頭販売台数を算出すると、台数ベースで110.5万台、金額ベースで386.4億円となる見込み。
なお、99年のプリンタ総販売台数は、台数で312.2万台、金額で1037.1億円と予測した。
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