DVD普及の最大の足枷は価格
株式会社BCN(本社・東京都文京区、社長 奥田喜久男)の市場調査部門であるBCN総研は、DVD普及の足枷が価格設定にあるとの分析を発表した。CD-R/RW、MO、DVDの販売構成比率をみると、CD-R/RWはトップを維持しながら、堅調に比率を伸ばし続けているのに対し、DVDは9月以降、若干増加したものの、12月を境に下降に転じていることがわかる(図参照)。次世代の記憶装置として期待されるDVDだが、現状ではハード、メディア双方の価格が高く、伸び悩みの最大の要因となっているようだ。
DVDドライブは、CD-R/RW同様、書き込みも行えるDVD-RAMドライブが発売されている。ドライブの価格は平6~7万円、メディアの価格は両面5.2GB(片面2.6GB×2面)で1GBあたり約800円であり、容量656.4MBのメディアが1枚平均100円弱、ドライブ自体の価格は平均3万円前後のCD-R/RWと比較すると、かなり割高感がある。
99年9月以降、CD-R/RWドライブ、MOドライブ、DVDドライブの店頭での販売構成比率をみると、9月の時点で49.1%だったCD-R/RWは月を追う毎に伸び、2000年1月には55.8%を獲得した。DVDドライブもシェアを伸ばし始め、99年9月と比較すると、12月は3.8ポイントアップの16.9%となったが、その後、シェアを落とし始めた。ショップでは「CD-R/RWは、普及率の高さと安価な価格が販売台数が伸び続ける要因」とみており、DVDに対しては、「CD-R/RWに比べると約2倍の価格設定は高すぎる。せめてハードの価格を4万円台、メディア1枚の価格を1GB300円程度にまで下げられれば売れていくのではないか」としている。さらに、現在DVD-RAM/ROMドライブを購入するPCユーザーの使用目的は「映画などのソフト鑑賞が主であり、書き込み用途を重視してはいない」という。購入者の主な目的がソフト鑑賞とはいえ、現状ではソフトの種類が豊富とは言い難いことも普及を阻む要因となっているようだ。
現在の価格設定が高いというマイナス要因はあるが、ビデオに代わるAV機器としての家電製品への応用、記憶容量の多さなど、CD-R/RWを上回る優位点がもたらす将来性はDVDにある。現状の問題が解決されるにつれて、CD-R/RWドライブとDVDドライブの販売構成比率に大きな変化が訪れる可能性は大きい。

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