「PlayStation2」/ハード、ソフトの供給バランスの悪さを露呈
発売2ヶ月間で国内出荷台数180万台を達成し、好調に販売台数を伸ばすソニー・コンピュータ・エンタテインメントの「PlayStation2」。しかし、ハードの躍進とは逆に、「PlayStation2」専用ソフトの伸びは鈍化傾向にある。初代「PlayStation」対応ソフトは依然として新タイトルが続々登場し、ゲームソフト市場のシェア過半数を占める勢いは衰えていない。鳴り物入りで登場した「PlayStation2」だが、ハードだけが先行し、専用ソフトの不在を引き起こすというバランスの悪さを生じさせている。
図1 ゲームソフト売れ筋トップ50に占める各ハード対応ソフト群の構成比率推移(週次)


「PlayStation2」発売直後の3月1週目、「PlayStation2」専用ソフトは、ゲームソフト売り上げトップ50において、過半数(49.0%)に迫る立ち上がりの良さをみせた。しかし、週を追う毎に「PS2」専用ソフトの構成比率は減少、3月5週目で36.3%に盛り返したものの、「PlayStation2」発売当初の勢いは減速していき、5月3週目はついに7.4%にまで落ち込んだ。
一方、初代「PlayStation」対応ソフトは、「PlayStation2」発売以降、増減はあるが、ほぼ50%の構成比率を維持しており、勢いの衰えはみられない。8月に発売が延期されたエニックスの「ドラゴンクエスト」シリーズの新作も初代「PlayStation」対応ソフトとして登場する予定だ。
「PlayStation2」は、ゲーム専用機としては初めての下位互換を実現した製品であり、当然初代「PlayStation」対応ソフトも遊ぶことができる。しかし、高性能ワークステーションを凌駕する性能とメディアにDVDを採用した先進性にもかかわらず、ハードの性能を十二分に活かしたソフトが存在しないというゲーム機としてのバランスの悪さを生じさせている。ソフトハウスが開発ツールに慣れ始める来年以降に、PlayStation2らしさを活かしたタイトルが揃ってくるのではないか、とする意見もあり、しばらくはタイトル不足が続くものとみられる。
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