2000年夏季商戦 前年比較 NECの首位揺るがず
ソニー躍進 アップル後退
株式会社BCN(本社:東京都文京区、代表取締役社長 奥田喜久男)の市場調査部門であるBCN総研のまとめによると、2000年夏季商戦の序盤戦はNECが制した(PC総合1位)。2位以下では、ソニー、SOTECが躍進した一方で、アップルのシェアは後退している。1999年6月の時点では、アップルがデスクトップで首位、PC総合で2位を獲得していた。動きの早いPC業界の激しい勢力争いが改めて浮き彫りとなった。しかし、インターネット接続端末としての魅力が携帯電話に押されつつあるPCに、PCならではの魅力的な提案が見られないのが、今期夏季商戦の特徴でもある。沈黙を守っているアップルが次に仕掛けてくる戦略に期待するショップは多い。
図1 1999年6月と2000年6月のデスクトップベンダーシェア(販売台数)


図2 1999年6月と2000年6月のノートベンダーシェア(販売台数)


図3 1999年6月と2000年6月のPC総合ベンダーシェア(販売台数)


1999年6月の夏季商戦序盤戦は、デスクトップでアップル(31.7%)、ノートでソニー(27.2%)が首位、PC総合ではNECが首位(23.8%)を獲得した。一方、デスクトップ、ノートの分野で2位を堅持するNECは、結局PC総合分野で1位を獲得、バランスの良さを見せつけた格好となった。
2000年6月。新製品を発売しないアップルのシェアはデスクトップで15.5%の3位に後退、低価格PCで波に乗るSOTECが2位(21.8%)に躍進し、従来通りの豊富なラインナップを揃えたNECが首位(24.2%)となった。ノート分野では、昨年に引き続き、コンスタントに新製品を発表し続けるソニーが首位(27.3%)を堅持した。そして、PC総合では、デスクトップ、ノート両分野でハイスペック機種から低価格モデルまで幅広く揃えるNEC が首位(25.2%)、2位には、ノートだけでなく、デスクトップにも力を入れ始めたソニー(19.7%)、3位にはSOTEC(14.1%)がランクインした。
「ユーザーのニーズは幅広い。すべてを満足させようと思ったら、NECのように幅広いラインナップが必要となってくる」と多くのショップは言う。シェアの拡大を目指すには、確かにNECの戦略は功を奏した。だが、シェア争いはそんなに重要なことだろうか。
PCは急速に家電化への道を辿り始めている。また、PCの主な利用目的だったインターネット接続に関しても、携帯電話を始めたとした様々な端末が登場している。「すでにPC市場でシェア争いを本気で考えているメーカーはない。より新しい顧客層を掘り起こす魅力的な提案を行うのが先決」(メーカー)とする意見もある。ただPCを売れば良いという時代はすでに終わったと言っていい。確かに、シェアだけをみれば、NECは首位を堅持し、ソニーやSOTECが躍進し、アップルが後退するという傾向は見えてくる。しかし、「今はまだいいが、今後、PCならではの新しい利用提案が行われないままならば、PC市場はこのまま閉塞状態に追い込まれる危険性がある」(ショップ)。久しく新製品が発売されないアップルが次世代機で何を仕掛けてくるのか。「iMac」以上の衝撃がNEC、ソニー、その他のメーカー、ひいてはPC業界全体に大きな影響を与える可能性に期待するショップは多い。
コンピュータの週刊専門紙である「BCN」(BUSINESSコンピュータニュース)を発行する株式会社コンピュータ・ニュース社は、東名阪のパソコン大手販売会社9社(エイデン、グッドウィル、コンプ100満ボルト、コンプマート、CSKエレクトロニクス=T・ZONE、スタンバイ、ソフマップ、九十九電機、ニノミヤ=50音順)288店舗の日次販売データをデイリーで収集し配信するBCNランキングを公表しています。このデータをもとに、BCNの市場調査部門であるBCN総研ではPCリテール市場の動向分析を行っています。
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