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個性的なモデルが掘り起こすパソコン需要

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02年第2四半期のパソコン店頭販売動向
個性的なモデルが掘り起こすパソコン需要


 株式会社BCN(本社:東京都文京区、代表取締役 奥田喜久男)の市場調査部門であるBCN総研では、2002年第2四半期(4月~6月)における店頭市場のパソコン販売データを集計した。その結果、店頭市場規模(台数)は、6月のワールドカップで客足が鈍った影響もあり、前四半期に比べ17%の減少となった。市場は低迷しているものの、デスクトップでは「モニタ一体型」が、ノートでは「ミニノート型」などのコンパクトタイプが人気を得ている。万人向けではないものの、嗜好の多様化にマッチした個性的な製品がヒットし、パソコン需要を掘り起こしている。

 
図1 パソコン店頭市場の販売台数推移(四半期別)

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 BCNランキングを通じて、2002年第2四半期におけるパソコンの市場規模(台数)をみてみると、前四半期(1月~3月)比17%の減少と、落ち込み幅が前々四半期−前四半期より広がっている。(図1)減少幅が広がった要因としては、まず、6月のワールドカップ開催により、店頭への客足が鈍ったことがあげられる。それに加え、部材高騰によるパソコン夏モデルの価格値上がりも、販売低迷の一要因と考えられる。そこで、2002年1月以降の発売モデルについて、発売月別に平均実売価格の推移を追うと、デスクトップの5月発売モデルの実売価格が22万円前後と、それまでのモデルより2万円以上高くなっている。一方、ノートでは、1、2月発売モデルは、発売時は20万円前後であったが、4~6月発売モデルは21万円台と上がっている。全機種の平均実売価格も漸増傾向にあった。価格上昇による一層の販売不振が懸念されていたが、7月に入り、販売価格は横ばい~低下傾向にあり、需要上向きへの一助となることが期待される。

 
図2 タイプ別販売台数構成比(デスクトップ)

図2
 
図3 タイプ別販売台数構成比(ノート)

図3


 次に、カテゴリー別にタイプ別販売動向をみると、デスクトップでは、「コンパクト」が6割弱と主流であることに変化はない。次いで、「モニタ一体型」が24%と「タワー」をやや上回るに至った。(図2)「iMac」と「VAIO W」が前四半期に引き続き好調なのに加え、「eMac」も登場したことで一段と活気づいている。ノートでは、主流の「A4型」の構成比が55%と、9ポイント下がった。その分「ミニノート型」「A4スリム型」などが増えている。(図3)デスクトップ、ノートとも、主流タイプは5割以上を占めているが、先にあげたモニタ一体型モデルや「VAIO U」のように、個性的なモデルは、広く長く人気を得てランキング上位に登場してきている。

 万人向けではないものの、嗜好の多様化を見据えた個性的な製品こそが、パソコン需要を喚起していくと思われる。

 
BCN総研は、東名阪のパソコン大手販売会社16社(エイデン、大塚商会=αランド、グッドウィル、コンプ100満ボルト、コンプマート、さくらや、上新電機、ソフマップ、九十九電機、T・ZONE.、デンコードー、ニノミヤ、ピーシーデポコーポレーション、ビックピーカン、ラオックス、ワンダーコーポレーション=50音順)733店舗(2002年07月01日現在)の日次販売データをデイリーで収集し配信するBCNランキングを公表しています。このデータをもとに、PCリテール市場の動向を分析したニュース配信を行っています(毎月第2、第4金曜日の発行となります)。

株式会社BCN
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