ゲームボーイアドバンスSP登場でお年玉商戦時の売上水準まで盛り返す

ゲームボーイアドバンスSP登場でお年玉商戦時の売上水準まで盛り返す
～2月第2週のGBAシリーズの販売動向～

　株式会社BCN（本社：東京都文京区、代表取締役社長　奥田喜久男）の市場調査部門であるBCN総研では、「BCNランキング」から、任天堂ゲームボーイアドバンス（以下GBA）シリーズの店頭市場における販売動向をまとめた。GBA SPの発売日（2月14日）を含む2月第2週（2月10日～16日）の販売状況は、販売金額でお年玉商戦時（02年12月30日～03年1月5日）に並ぶ売上を記録し、盛り上がりをみせた。折りたたみ型スタイルのデジタルガジェットテイストのハードに、スクウェアの「FINAL FANTASY TACTICS ADVANCE」（2月14日発売）やエニックスの「ドラゴンクエストモンスターズ　キャラバンハート」（3月29日発売予定）と強力なタイトルを揃えることで、GBA従来のターゲットより上の青年層の関心を惹きつけていると思われる。話題として“旬”なうちに、製品の供給体制を整えて、潜在ユーザー層の取り込みが必至であろう。

   

　2月14日の発売当日に売り切れとなった販売店が続出した任天堂GBA SP。事前予約の段階でも、予約割当数に達してしまい、予約の受付を止めるショップも見受けられた。任天堂のホームページには、2月20日付けで「品切れのお詫び」が掲載された。

　かなりの数の販売機会を損失したと思われるが、BCNランキングで、GBAシリーズの販売動向をみてみると、発売日を含む2月第2週（2月10日～16日）の販売金額は、お年玉商戦時（1月第1週：02年12月30日～03年1月5日）に並ぶ売上を記録した（図1）。販売台数では、同週比73％にとどまったが、GBAの1.5倍するGBA SPの実売価格により、販売金額が上乗せされた（図2）。

　また、従来機GBAの販売推移は、2月第2、3週時点では、GBA SP発売前の水準を維持しており、GBA SPの発売による影響はさほど受けていないようだ。GBA SPは、デジタルガジェットテイストの折りたたみ型スタイル、従来機GBAより4千円程高い実売価格、そして、据え置き型ゲーム機で人気のタイトル（スクウェアの「FINAL FANTASY」シリーズやエニックスの「ドラゴンクエスト」シリーズなど）を揃えたことで、GBA従来のターゲットより上の青年層を惹きつける要素は十分備わっている。そうした点から、従来機GBAとの棲み分けがある程度なされていると思われる。

 

　一方、GBA用ソフトの2月第2週の販売状況は、GBA SPと同日発売となったスクウェア「FINAL FANTASY TACTICS ADVANCE」、任天堂「METROID FUSION」が好調で、販売本数で前週比3倍を記録している（図3）。3月28日には、エニックス「ドラゴンクエストモンスターズ　キャラバンハート」の発売が予定されており、更なる盛り上がりが期待される。

　デザインが格好よく、据え置き型ゲーム機などでプレイしたタイトルが遊べることで、GBA SPは、青年層ゲームユーザーの購買意欲を十分喚起していると思われる。話題として“旬”なうちに、製品の供給体制を整えて、潜在ユーザー層の取り込みが必至であろう。