「カメラ付き携帯」所有しても「普段の撮影はデジタルカメラ」が41％

「カメラ付き携帯」所有しても「ふだんの撮影はデジタルカメラ」が41％

　株式会社BCN（本社：東京都文京区、代表取締役　奥田喜久男）の市場調査部門であるBCN総研は、デジタルカメラに関するアンケート調査を行った。その結果、カメラ付き携帯との使い分けについては、両機を所有するユーザーにおいても写真撮影は「デジタルカメラ」が41.4％と最も多い。また、全回答者において「携帯電話のカメラがより高性能高機能になれば、デジタルカメラの代わりに使いたい」は25.9％にとどまった。

 

　本調査におけるデジタルカメラ所有者は回答者全体（n＝2,618）の73.5％。このうち、フィルムカメラ所有者は84.0％であるが、その使用状況については約8割が「フィルムカメラはほとんど使わなくなった」または「デジタルカメラを使用する前よりやや減った」と回答している（図1）。

　一方、デジタルカメラ所有者のうち、カメラ付き携帯電話を所有しているユーザーは31.4％。携帯電話のカメラ機能とデジタルカメラの使い分けについては、「ふだんはデジタルカメラをよく使っている」が41.4％と最も多く、「ふだんは携帯電話のカメラ機能をよく使っている」（24.8％）を上回った。

   

　回答者全体の「写真に対する考え方」（複数回答）は、「気に入ったものや街で見つけた変わったものなどを、手軽に撮影しておきたい」が58.8％と最も多く、「日記をつけるように、自分の見たものや行った場所などを撮影して記録として残したい」が42.9％で続いた（図2）。これらに対して、「携帯電話のカメラがより高性能高機能になれば、デジタルカメラの代わりに使いたい」と回答したユーザーは25.9％にとどまった。

　実際のデジタルカメラの利用状況については、写真の撮影頻度は「月に2、3日」が50.1％で最も多く、外出時の持ち歩きについては「撮影する目的があるときだけ持ち歩く」が83.1％と大半を占めた（図3）。

　今回の調査結果が示すように、デジタルカメラは、フィルムカメラから写真撮影の「主役の座」を奪いつつあることがわかる。一方、「メガピクセル」機が発売され注目を集めるカメラ付き携帯電話だが、デジタルカメラとしての使用、もしくは使用意向を示すユーザーは一部にとどまったといえる。

　しかしながら、ユーザーがデジタルカメラを日常生活において「手軽に撮影したい」というニーズとは裏腹に、実際に常時持ち歩くユーザーは少ない。常に持ち歩くケースが多い携帯電話のカメラ機能は、これらユーザーの潜在的ともいえる「日常的な記録ニーズ」を満たす機能を備えているといえる。このことから、カメラ付き携帯電話は、デジタルカメラ市場を奪うというよりも、ユーザーの撮影機会を広げ、新たな需要の掘り起こしを行う可能性を秘めているとも考えられるだろう。