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PC店頭市場の販売動向 A4スリム型ノートが市場を牽引

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PC店頭市場の販売動向
A4スリム型ノートが市場を牽引


 株式会社BCN(本社:東京都文京区、代表取締役社長 奥田喜久男)の市場調査部門であるBCN総研は、「BCNランキング」から、PC店頭市場の販売動向をまとめた。その結果、2003年7月は、台数ベースで対前年同期比7.3%増、金額ベースで同0.4%増となった。タイプ別には「A4スリム型」ノートPCが対前年同期比107.1%と大幅な伸びを示し、ノートPC市場ならびにPC市場全体を牽引している。

 
図1 パソコン店頭市場の対前年同月比推移

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 PC店頭市場における2003年7月の販売実績は、台数ベースで対前年同期比7.3%増、金額ベースで同0.4%増となった(図1)。金額ベースでは微増にとどまったものの、台数、金額ともに前年実績を上回る結果となった。アイテム別には、ノートPCが台数ベース対前年同月比13.2%増となり、5ヵ月連続で前年同期を上回った。デスクトップPCは同2.2%減となり昨年をやや下回ったものの、減少幅は縮小傾向にあり、8月は前年を上回る可能性もみえてきた。

 
表1 デスクトップPCのタイプ別販売動向(2003年7月、台数ベース)

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表2 ノートPCのタイプ別販売動向(2003年7月、台数ベース)

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 PCのタイプ別に販売動向をみると、デスクトップPCは「モニタ一体型」が対前年同期比39.2%増と好調な売れ行きを示した(表1)。デスクトップPCはこの1年でTV機能や記録型DVDドライブなど、AV機能を搭載した製品が増加しているが、なかでも比較的低価格モデルが多い「モニタ一体型」の人気が高まっている。

 また、これ以上に大きな伸びを示しているのが「A4スリム型」のノートPCで、対前年同期比107.1%増の大幅な伸長により、ノートPC市場および PC市場全体を牽引している。「A4スリム型」ノートPC伸長の背景として、「モニタ一体型」デスクトップPCと同様に平均18万円を切る「低価格」が大きなセールスポイントとなっていることが挙げられる。また、デスクトップPCなど他のタイプに比べ、TV機能など「新機能」の搭載率が低いにも関わらず販売を伸ばしている点も注目できる。現在のユーザーの関心は、機能よりも省スペース性や価格に向いているといえるだろう。

 弊社が6月に実施したアンケート調査(7月11日発表「夏のボーナスの使い道」)においても、「ノートPC」の購入意欲の高まりが確認されたが、「家族共用」から「個人利用」へと利用形態がシフトしていたことも、ノートPC市場伸長の背景にあるものと考えられる。「サブノート」としての買い増し需要以上に、家庭内における買い増し需要が増加しており、個人利用のメインPCとして、手頃な省スペースモデルが選択されていると思われる。

 今後の見通しについては、10月以降の「PCリサイクル」関連の動きがポイントになるものと思われる。現在の消費者のニーズからみれば、パソコン価格の上昇が消費マインドに与える影響は大きく、回復傾向がみえはじめたPC店頭市場に対するマイナス要因となることが懸念される。

 
BCN総研は、東名阪のパソコン大手販売会社14社(エイデン、大塚商会、グッドウィル、コンプ100満ボルト、さくらや、上新電機、ソフマップ、九十九電機、T・ZONE.、デンコードー、ニノミヤ、ピーシーデポコーポレーション、ビックカメラ、ラオックス=50音順)691店舗(2003年7月現在)の日次販売データをデイリーで収集し配信するBCNランキングを公表しています。このデータをもとに、PCリテール市場の動向を分析したニュース配信を行っています。

株式会社BCN
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株式会社BCN 赤島 誠
 
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