インクジェットプリンタの利用に関するアンケート　純正インクの使用は9割強

インクジェットプリンタの利用に関するアンケート
純正のインクカートリッジの使用割合は9割強

　株式会社BCN（本社：東京都文京区、代表取締役社長・奥田喜久男）の市場調査部門であるBCN総研では、web上でインクジェットプリンタの利用に関するアンケートを行った。その結果、使用しているインクジェットプリンタのインクカートリッジの9割強がプリンタメーカー純正であることがわかった。これは2004年3月よりBCNがサービスを開始したプリンタサプライに関するBCNランキングのデータともほぼ同様な傾向になっている。純正のインクカートリッジを使用する理由としては、「所有機種との適合品を見分けやすいから」、「品質が良いから」をあげる回答がそれぞれ4割以上を占めた。

　なお、リサイクルインクカートリッジの利用状況については、現在又は過去に使用したことがあるとする回答は2割弱にとどまっているものの、今後の利用意向では、利用したいとする回答が3割強を占めた。また、使い終わったインクカートリッジの処理については、「家電量販店等に設置されているインクカートリッジ回収箱に入れる」とする回答が4割台後半にまでのぼった。企業サイドでの環境問題に対する取り組みが強化されるなか、消費者の意識も着実に変化してきている。今後もこうしたリサイクル品に対する利用意欲は高まっていくことが考えられ、純正品で占められているインクカートリッジの市場構成にも何らかのインパクトが波及してくることが予想される。

     

　インクジェットプリンタ利用者の9割強がプリンタメーカー純正のインクカートリッジを使用している（図1）。使用プリンタのメーカー別にみると、特に、「エプソン」、「hp」のユーザーは純正インクカートリッジの利用割合がともに9割台半ばを占めている。3月のBCNランキング（3月よりプリンタサプライに関するサービスを開始）をみると、インクのタイプ別構成比（台数ベース）では、「純正」が94.5％を占めており、今回のアンケート結果とほぼ同様な構成となっている（図2）。また、インクのベンダー別構成比では、エプソンがトップで44.0％、次いで「キヤノン」42.4％の順となっている（図3）。

       

　一方、同ランキングのベンダー別構成比では、純正品が圧倒的シェアを占める市場の中、サードパーティとして「エコリカ」が2.1％、「エレコム」が 1.2％を占めている。アンケートで、純正品以外のインクカートリッジを使用する理由を尋ねたところ、「価格が安いから」が9割弱を占めたほか、「純正品と品質面で大差ないから」が48.8％、「使用していて特に問題を感じないから」が45.5％と高い割合を占めている（図5）。また、リサイクルインクカートリッジの利用状況と利用意向を尋ねたところ、利用状況では「現在利用している」（8.8％）、「過去に利用していたが、現在は利用していない」（8.7％）とする回答は合計で17.5％にとどまったが、利用意向では「是非利用したい」（14.3％）、「なるべく利用したい」（19.1％）とする回答が合計で33.4％を占めている（図6）。環境に配慮した商品を選別するなど消費者の志向の変化を背景に、価格・品質・保証などの諸条件が揃ってくれば、市場におけるサードパーティのシェアも拡大していくと考えられる。