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携帯プレーヤーの利用に関する調査 音楽配信サービスの利用率は2割強

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携帯MP3プレーヤーの利用に関するアンケート調査
音楽配信サービスの利用率は2割強、うち4割は「iTMS」の利用経験あり


 株式会社BCN(本社:東京都文京区、代表取締役社長 奥田喜久男)の市場調査部門であるBCN総研は、8月中旬にWeb上で携帯オーディオプレーヤーの利用に関するアンケート調査を行った。その結果、携帯オーディオプレーヤーの所有者のうち、携帯MP3プレーヤーの所有率は5割台後半を占め、従来型の携帯MD/CD/カセットプレーヤーの所有率を上回っていることがわかった。
 また、携帯MP3プレーヤーで利用している音楽ソースについては、CDが依然大半を占めているものの、「インターネットによる音楽配信サービス」も2割強を占めており、変化への兆しもうがかえた。音楽配信サービスの利用経験者のうち、4割は「iTunes Music Store」を利用したことがあり、「iTunes Music Store」の国内でのサービス開始が2005年8月4日と、間もないことなどを考慮すると、同サービスを起爆剤として今後一段と音楽配信サービスを利用するユーザーが増えていくことが予想される。

 
図1 所有の携帯オーディオプレーヤーの種類

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 BCN総研では、8月中旬、Web上で携帯オーディオプレーヤーの利用に関するアンケートを行った。有効回答数は1,801件で、39.9%が携帯オーディオプレーヤーを「持っている」と回答した。なお、本調査では、携帯MP3プレーヤーについて、特に断りのない限り、AACやWMAなど他の音声圧縮方式によるものを含んでいる。
 所有の携帯オーディオプレーヤーの種類については、「携帯MP3プレーヤー(HDD内蔵型)」が26.6%と最も多く、「携帯MDプレーヤー」、「携帯MP3プレーヤー(フラッシュメモリ内蔵型)」(それぞれ24.6%)の順となっている(図1)。携帯MP3プレーヤーの所有者は57.6%を占め、従来型の携帯MD/CD/カセットプレーヤーの所有率を上回っている。性別でみると、女性では、「携帯MDプレーヤー」(37.7%)の所有率が高く4割近くを占め、携帯MP3プレーヤーの所有率は40.8%にとどまっており、男性の所有率(65.4%)を大幅に下回っている。

 
図2 所有の携帯MP3プレーヤーのメーカー

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 所有の携帯MP3プレーヤーのメーカーについては、「アップル」が35.7%を占めトップで、次いで「ソニー」(10.9%)、「Rio Japan」(8.2%)と続いている(図2)。ソニーは、2005年4月にフラッシュメモリ内蔵型を中心に新製品を投入し、販売数量シェアを伸ばしつつあるが、2001年11月に初代の「iPod」を投入して以来市場を牽引してきたアップルが、所有率では「ソニー」を圧倒している。

 
図3 携帯MP3プレーヤー用に保存している曲数

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 携帯MP3プレーヤー用に保存している曲数(PCのHDD等への保存を含む)としては、「500曲未満」が65.0%と過半を占め、平均では817曲となっている(図3)。携帯MP3プレーヤーでは、HDD内蔵型の20GBで約5,000曲、フラッシュメモリ内蔵型の512MBで約120曲の保存が出来るが、ユーザーの大半は1,000曲にも満たない曲数を保存しているのが現状となっているようだ。

 
図4 携帯MP3プレーヤーで利用している音楽ソース(複数回答)

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 携帯MP3プレーヤーで利用している音楽ソースでは、「販売店(通販を含む)で購入したCD」が67.9%を占めるなど、依然CDのウエイトが高いものの、「インターネットによる音楽配信サービス」(20.5%)も2割強を占めており、変化への潮流もうかがえる量感を示している(図4)。

 
図5 利用経験のある音楽配信サービス(複数回答)

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 また、音楽配信サービスを利用したことがあるとする回答者に、利用経験のある音楽配信サービスについて聞いたところ、「iTunes Music Store」が40.0%とトップを占め、2位の「TSUTAYA online」(27.1%)を大幅に上回った(図5)。「iTunes Music Store」の国内でのサービス開始は2005年8月4日であったことから、本調査の実施時期(2005年8月17日~22日)などを勘案すると、かなりの短期間で利用が浸透している様子がうかがえる。

 アップルは、「iTunes Music Store」(以下、iTMS)はサービス開始後の4日間でダウンロード数100万曲を達成したと発表したが、今回の調査でも短期間での利用者の多さが裏付けられた結果となっている。iTMSでは、最大手のソニー・ミュージックエンタテインメントなど数社が楽曲提供を見送るなどの動きがあったため、邦楽の配信曲数がMora(レーベルゲート)などの先発の国内配信サービスより少ないなどの不安材料を抱えているが、出足は好調に推移している。ネットによる音楽配信サービス世界最大手のアップルが参入したことで、国内での業界再編なども進み、音楽配信サービスはより利用しやすい環境が醸成されていくと思われる。拡大傾向で推移する携帯MP3プレーヤー市場だが、音楽ソースでの環境の変化が市場形成にどのような影響を与えていくのか、今後の動向が注目される。

 
■調査概要
調査期間:2005年8月17日~22日
調査方法:弊社ホームページ(WebBCN)でのアンケート
回答数:1,801件

■回答者のプロファイル
性別:男性 63.0% 女性 37.0%
年齢:30歳未満 9.9% 30~40歳未満 32.9% 40~50歳未満 37.9% 50~60歳未満 13.9% 60歳以上 5.4% 不明 0.1%
PC利用歴:3年未満5.0% 3~5年未満 8.3% 5~10年未満 38.6% 10~15年未満 21.8% 15~20年未満 11.1% 20年以上 15.2% 不明 0.1%
 
BCNでは全国のパソコン専門店、家電販売店18社(アロシステム、エイデン、大塚商会、ギガスケーズデンキ、グッドウィル、さくらや、上新電機、ソフマップ、ZOA、九十九電機、T・ZONEストラテジィ、デオデオ、ニノミヤ、100満ボルト、ビックカメラ、ピーシーデポコーポレーション、ベスト電器、ラオックス=50音順)2,213店舗(2005年7月末現在)の日次販売データをデイリーで収集し配信するBCNランキングを公表しています。このデータをもとに、PCリテール市場の動向を分析したニュース配信を行っております。

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本件に関するお問い合わせは下記にお願いします。
株式会社BCN 西尾 治親
 
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