ノートPC　SSD搭載のウルトラモバイルが増勢傾向に

ノートPC　SSD搭載のウルトラモバイルが増勢傾向に
ASUSが先行し海外メーカーも追随、東芝は受託生産か

　株式会社BCN（本社：東京都文京区、代表取締役社長　奥田喜久男）は、BCNランキングデータをもとに「ノートPC」の販売動向をまとめた。この結果、HDDに代えてSSD（ソリッドステートドライブ）搭載モデルが徐々に増大、ここ数か月は台数ベースで4%前後を占めるまでになった。現在、国内で主導権を握るのは7インチのミニノート型ウルトラモバイル(UMPC)。ASUSのEee PCが人気を集めており、4月はSSDとHDDのハイブリッドモデルでEVEREXが参入した。販売店ではSSD搭載PCについて 「UMPCではマザーボードメーカーをはじめとした海外メーカーが意欲的。先行するASUSは台湾で発売する後継モデルを近々日本にも投入する見通し。一方、国内メーカーでは東芝が現行のB5モデルの生産を完了、今後は大容量のSSDを使った後継モデルを予定しているが、高額となるだけに当面は受託生産となるようだ」と指摘する。軽量化、起動スピードで優位性を持つSSD搭載PCは、フラッシュメモリの大容量化と量産時の価格次第との見方が支配的で、「1-2年後にはSSD搭載PCの台数比率が2ケタ台に達する」可能性を秘めている。

   

●年間最大の需要期となるだけにノートPCの3月の売れ行きは好調で、台数は前年比117.3%と2ケタの伸びを示したが、金額は103.9%にとどまった。平均販売価格は12万円台の前半で、春夏モデルの投入を控えて現行モデルの値下げ、Eee PCに代表される低価格モデルの台頭が影響した（図表1）。
SSD搭載（ハイブリッドモデル含む）PCがノートPC全体に占める比率は年明け以降上昇し、3月は台数で3.8%、金額は1.5%であった（図表2）。

   

●ノートPC全体のタイプ別販売台数指数（07年3月を100とした指数）は、A4とB5モデルでは大きな変化は現れていないが、ミニノートは増大、3月は約4.8倍となった（図表3）。
これを台数構成比でみると、ミニノートは5%前後に上昇、年明け以降はEee PCによる影響が色濃く現れており、 B5モデルときっ抗するするようになった（図表4）。
Eee PCの入荷状況について販売店は「不安定で、1月以降は入荷が滞っている。欠品するほどではないが品不足のまま。画面サイズとSSD容量がワンランク大きくなる新モデルの供給は潤沢であってほしい」との声が目立つ。

   

●ノートPC全体の重量別台数構成比は2.5-3.0kg未満が半数を超えるが、SSD搭載PCに限ればUMPCがメインとなるため、1.0kg未満がほぼ100%を占める（図表5）。
SSD搭載PCのメーカー別台数シェアでは、昨年10-12月までは東芝がトップシェアを獲得、年明け以降はASUSが圧倒的なシェアを占めている（図表6）。 Eee PCの平均販売価格は4万円台で推移しているが、新モデルについては、性能が向上することから価格もアップすることになる見通し。