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北京五輪需要、猛暑で足踏み テレビ、レコーダーとも伸び率は6月を下回る

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■北京五輪需要、猛暑で足踏み
薄型テレビ、レコーダーとも伸び率は6月を下回る


 北京五輪を目前に控えて、薄型テレビ、レコーダーの売れ行きの鈍化が目立ってきた。いずれも6月の伸び率(前年同月比)を下回り、五輪直前になって需要にブレーキがかかった格好だ。店頭では7月に入ってエアコンが前年比2倍と急伸し、そのあおりを受けて薄型テレビ、レコーダーが伸び悩んだとみられる。

図1 薄型テレビの販売台数伸び率(前年同月比)


図2 薄型テレビの販売金額伸び率(前年同月比)
●薄型テレビ、レコーダーとも伸び率は6月を下回る

 液晶、プラズマを合わせた薄型テレビは、5-6月と台数で130%(前年同月比)近い伸び率を示してきたが、7月は119.4%で10ポイント以上の減となった(図1)。金額も前月に比べて8ポイント減の109.9%にとどまり、直前になって五輪需要にブレーキがかかった格好だ(図2)。

 また、レコーダーはBDレコーダー(以下BD)の本格普及にけん引されて伸び率は高いものの、7月は台数が112.4%、金額が130.7%といずれも前月を下まわった(図4)。

 背景にあるのは7月の猛暑によるエアコン需要の急伸。家電量販店では7月のエアコンの売り上げが軒並み前年同月比200%を超え、1か月以上の受注残を抱えている状況で、「東京で7月の猛暑日が連続10日を超えた中旬以降、客足がAVからエアコンに流れた」としている。
 
 図3 薄型テレビ全体のメーカー別販売台数シェア


図4 レコーダーの販売台数、金額伸び率(前年同月比)
●薄型テレビでは松下がシェア2位に浮上

 薄型テレビでは、とくにプラズマの落ち込みが大きい。6月に金額の伸び率で107.6%と今年初めてプラス成長に転じたが、7月には93.3%で再びマイナス成長となった(図2)。一方、薄型テレビのメーカー別シェア(図3)では、ソニーが40インチ以上の液晶テレビの伸び悩みを受けて15.7%で3位に後退、代わって30-40型クラスの液晶で売り上げを伸ばした松下電器産業が17.9%で逆転し2位にくい込んだ
 
図5 BDの販売台数(上)と金額構成比(下)

●BDの構成比が6割を突破

 レコーダーは全体として6月の伸び率を下回ったが、BDの構成比は、7月に台数が4割超の42.3%。金額ではついに6割を突破して60.2%を記録した(図5)。平均単価は、従来型DVDレコーダー全体が5万4000円と横ばいが続くなか、BDは11万2000円と価格の下落が続いている。

 今年1月と比較したBDの価格下落率は6月が約8%、7月では約12%に及んでいる(図6)。BDの低価格化は、HDD容量の小さいエントリーモデルの需要拡大にも現れている。このところ増加基調にあった500GBモデルが、7月には前月比で5.4ポイントも減少。逆に250GBモデルは、10.2ポイントも増えている。当面は容量よりも価格が重視される傾向が続きそうだ(図7)。
 
図6 BDとDVDレコーダーの平均単価推移


図7 BDのHDD容量別販売台数構成比


図7 BDのメーカー別販売台数シェア
●3社が僅差のトップ争い

 BDの普及に合わせて、メーカーシェア争いは激しさを増している。6月の台数シェアでは、1位から3位の差が15.6ポイントも開いていた。しかし、7月にはその差が1.5ポイントに縮まり、大激戦の様相を呈している。1位はソニーだが、前月比で6.3ポイント減の33.6%。2位は前月から8.5ポイントもジャンプアップしたシャープで32.8%、3位は松下電器で前月比2.2ポイント減の32.1%と、3社が僅差でトップ争いを展開している。
 
*図1、2、4は標準パネルデータ、それ以外は最大パネルデータを使用しています。

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