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「録れるテレビ」初めて3割突破、10年9月の薄型テレビ販売台数で

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「録れるテレビ」初めて3割突破、10年9月の薄型テレビ販売台数で
――外付けHDD対応モデルが人気



●台数で30.1%、金額では40.8%を占めるまでに拡大した「録れるテレビ」

 録画機能付き薄型テレビの販売台数構成比が2010年9月、初めて30%を突破した。全国主要家電量販店の実売データを集計する「BCNランキング」で明らかになった。LEDバックライトや3Dに並んで、薄型テレビの高付加価値要素の1つが録画機能。この、いわゆる「録れるテレビ」の販売台数構成比が9月、30.1%を記録した。販売金額では40.8%と、こちらも初めて4割の水準に到達した。薄型テレビは夏以降、価格の下落が大きくなっており、特に売れ筋の30型台が年間で31%下落し値崩れが激しい。薄型テレビ全体でも28%と大きく価格が下がっている。こうした中、高付加価値製品は価格下落のブレーキ役ともいえ、録画対応製品は一層拡大することになりそうだ。
 
図1 <録画機能付き薄型テレビの台数・金額構成比>

 
図2 <録画テレビの対応メディア別台数構成比>


●録れるテレビの価格プレミアムは約6割

 9月の税抜き平均単価を録画機能の対応・非対応のモデルで比較すると、非対応モデルでは6万3500円と10万円を大きく割り込んでいるのに対し、録画対応モデルは10万1800円と10万円台をキープしている。録画対応製品の平均画面サイズは33.1と非対応製品に比べ1.9インチほど大きいものの、録画対応製品は60%程度の価格プレミアムを実現している。録画対応モデルでもっとも多いのは、外付けHDD用のUSB端子のみを備える製品。昨年の年末商戦で増え始め、7月に録画対応モデルの中で4割を超えた。9月には46.5%を占めるまでに拡大し、他を大きく引き離している。複数のHDDを接続できる製品も多く、ユーザーが自由に録画容量を調整できる点が支持されているようだ。そのほか、HDDを内蔵するモデルは19.3%で続き、BDのみを搭載するモデルも19.1%でほぼ並んでいる。HDDとBDの両方を搭載するモデルは、まだ6.2%と少数派だ。

 9月の薄型テレビのメーカー別シェアをみると、全体ではシャープが40.8%とダントツの強さを維持しているが、録画テレビに限ると東芝が42.0%を占め最もシェアが高い。特にUSB端子のみの製品では、同社が81.0%を占めており、ユーザーにHDDと容量を自由に選ばせるという戦略が受け入れられているようだ。東芝はレコーダーでもHDDを増設できるモデルを発売しており、他社にどれだけ波及するかが注目されている。

 
図3 <薄型テレビ全体の主要メーカーシェア>

 
図4 <録画テレビ主要メーカーシェア>


●300GB未満のクラスでは、台数構成比で録れるテレビとレコーダー専用機はほぼ互角

 こうした中、レコーダー専用機も販売しているメーカー各社としては、録画機能付きテレビとの棲み分けが必要になってくる。編集機能や圧縮モードのバラエティなどで差別化を行っているが、HDD容量でみると、やはりライトユースはテレビで、ヘビーユースはレコーダー専用機でという色分けになっているようだ。HDDを搭載する同容量帯のレコーダー専用機と録画テレビをあわせた販売台数を100として、録画テレビの構成比をみると、もっとも録画テレビの構成比が大きかったのは300GB未満のクラスで、46.0%だった。次いで500GB~1TB未満のミドルクラスでも38.7%を録画テレビが占めていた。TB以上のクラスでは専用機がほとんどだった。

 その他の高付加価値もテレビの状況をみると、液晶テレビではLEDバックライト搭載モデルが9月で42.6%を占めており年内にはCCFLタイプを凌駕する勢い。一方3Dテレビは、メガネなど別売りの「レディ機」も含めて薄型テレビの2.5%と、こちらはまだこれからといった状況だ。エコポイントとデジタル化の特需に沸いているテレビ業界だが、2011年7月以降どうするかは、頭の痛い問題。来年に向けて、まだいくつかの付加価値テレビの新しい軸を打ち出す必要がありそうだ。
 
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