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ノートパソコン、海外ブランドが4割を超える――国内ブランドとの価格差拡大で

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 海外ブランドノートパソコンの販売台数構成比が2014年5月、6月と2か月連続で4割を超えた。この3月までは3割程度で推移していたが、消費税増税が実施されWindows XPのサポートが終了した4月以降、一気に拡大、海外ブランドの存在感が増している。BCNが全国の主要家電量販店などの実売データを集計する「BCNランキング」で明らかになった。
 

●増税後に注目が集まった低価格海外ブランドノートパソコン

 14年6月の海外ブランドノートパソコンの販売台数構成比は41.0%。5月も40.3%だったため、2か月連続で4割を超えた。海外ブランドノートはここ3年ほど3割前後の構成比で推移しており、大きな変化はなかった。しかし、今年4月に39.2%を記録して以降、4割の水準を保っている。4月の消費税増税を前に、2月と3月は、ノートパソコンでも駆け込み購入が発生した。2月は台数で前年比109.2%、3月のピーク時では181.4%と、ほぼ倍増の売り上げを記録した。一方、4月は112.0%と前年を上回る水準は維持したものの、5月は86.4%、6月は77.3%と大幅に前年を割り込んでいる。中でも落ち込みが激しいのは国内ブランド。6月は前年比で66.1%と大きなマイナスだったのに対し、海外ブランドは104.6%と依然前年を上回って好調だ。

 国内ブランドと海外ブランドの大きな違いは価格だ。もともと海外ブランド製品の価格は国内ブランドのかなり割安だった。例えば、13年6月の税抜平均単価(以下、価格はすべて税抜き)を見ると、ノートパソコン全体では8万1000円、国内ブランドは8万9900円だった。これに対し、海外ブランドは6万800円と7割弱で買える価格になっていた。しかし、14年6月では、ノートパソコン全体の平均単価が9万2000円。うち国内ブランドは11万1700円で、1年で24.2%も上昇した。一方、海外ブランドは6万3600円とわずか4.6%しか上っておらず、価格差が大きく開いた。この6月では、国内ブランドの6割弱で買える価格帯になった。国内ブランドは価格上昇が続く一方で海外ブランドでは大きな変化がなく、価格が2極化しつつあるのが現状だ。そのため、一般にはあまり耳慣れない海外ブランドの製品にも消費者の目が届くようになった結果、海外ブランドの販売が拡大しているものとみられる。
 

●レノボ、ASUSが2ケタシェアを獲得、国内ブランドを追い上げる

 6月時点での、ノートパソコンの販売台数シェア上位5社は、1位がNECで22.8%。2位が東芝で15.3%、3位が富士通で15.0%と国内ブランドが上位を占めた。しかし、4位はレノボジャパンで13.1%、5位がASUSで12.6%といずれも2桁シェアを獲得して海外ブランド2社がトップ5入りを果たしている。シェアの変動では、国内ブランド3社にはあまり勢いが感じられない中、この海外ブランド2社については、1月以降右肩上がりでシェアを伸ばしており、上位グループとの差を確実に縮めてきている。上位3社の国内ブランドはいずれも平均単価が10万円超であるのに対し、追い上げる海外ブランド2社は5万円前後とほぼ半額。こうした価格の強みが勢いを生んでいる。製品スペックに多少の違いはあるものの、日常使いではすでにハイエンドモデルの存在が希薄になっている状況では、こうした低価格モデルの拡大にも大きな余地があると言えるだろう。

 パソコン市場全体(ノート、デスクトップ、タブレット端末)に占めるタブレット端末の販売台数構成比は、この6月で42.6%と過去最大を記録。48.9%のノートパソコンと肩を並べる存在になった。Webの閲覧や動画の視聴など、情報消費型の用途がタブレットに移行しつつある。一方、情報生産型のノートパソコンやデスクトップパソコンの役割、用途は、より先鋭化、明確化することが求められるようになってきている。このように個人の情報ディバイス環境が変化の渦中にある現在、ノートパソコンが一体何を担うのか、消費者にはっきりとわかりやすく提案していくことが非常に重要だ。
 
 
 
 
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*集計対象の社数は、当社と販売店との間でデータ提供契約を締結している法人数をカウントしています。
 
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