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03年春のデジタルカメラ店頭市場 シェア争いは混戦の様相

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カシオとオリンパスが巻き返し、シェア争いは混戦の様相
03年春のデジタルカメラ店頭市場


 株式会社BCN(本社:東京都文京区、代表取締役社長 奥田喜久男)の市場調査部門であるBCN総研は、「BCNランキング」による03年春商戦のデジタルカメラ店頭市場動向をまとめた。2~3月に発売されたカシオ、オリンパスの新モデルが好調で、上位ベンダーの販売シェア争いは混戦の様相を呈しつつある。市場の概況は、売れ筋が300万画素クラスに移り、その構成比が過半数に達した。また、500万画素クラスの平均販売価格が下がり、販売構成比が9.3%まで増え、400万画素クラスの販売台数に迫ってきた。普及価格帯の500万画素クラスモデルが登場してきたことで、現200万画素以下クラスユーザー層の買い替えが期待される。

 
図1 デジタルカメラ店頭市場の主要ベンダーの販売台数シェア推移

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 03年前半のベンダーシェア(販売台数)の推移をみると、1、2月は、ソニーが唯一20%を超えていた(図1)。しかし、各ベンダーの春モデルが揃い始めた3月以降、シェア上位のベンダー間の差は縮まり、混戦の様相を呈しつつある。この背景には、カシオとオリンパスの巻き返しがあげられる。

 カシオは「EXILIM」シリーズ、オリンパスは「μ-10 DIGITAL」「CAMEDIA X-200」が好調で、発売直後から機種別ランキングの上位にランクインし続けている。特にカシオの伸びは顕著で、2月時点のシェアは8.9%であったが、5月(1~18日)時点では15.4%に達し、ソニー、オリンパスに次ぐ3位に位置している。

 一方、やや低迷しているのは富士フイルム。シェア上位5社の5月(1~18日)における販売台数に占める春モデル(03年2月以降に発売された製品)比率を計算したところ、富士フイルムは32%。他4社の60~70%台と比べ極端に低くなっており、春モデルへのスイッチがうまくいっていないことが低迷の要因と思われる。

 
図2 デジタルカメラ店頭市場における画素クラス別販売台数構成比推移

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 市場の概況を画素クラス別の販売台数構成比でみると、3月にボリュームゾーンが200万画素クラスから300万画素クラスに移り、4月以降、300万画素クラスが半数を超えている(図2)。

 これに対し、400万画素以上の高画素モデルの比率は、20%前後と一定の割合で推移してきている。その内訳をみると、5月(1~18日)には、ソニーの500万画素モデル「DSC-P10」シリーズ(4月発売)などの登場で、500万画素クラスの構成比が9.3%に増え、400万画素クラスの販売台数に迫ってきた。

 
図3 デジタルカメラ店頭市場における平均販売価格の推移(全機種、主要画素クラス別)

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 平均販売価格では、500万画素クラスが5月(1~18日)時点で6万1,000円と2月より1万5,000円下がった(図3)。売れ筋の300万画素クラスと400万画素クラスでは、1月に比べ5,000円程度下げるにとどまっており、500万画素クラスの割安感が出てきたようだ。

 昨年から人気のコンパクト・スリム・スタイリッシュなモデルで新規ユーザー層を取り込んできたが、500万画素クラスの普及価格帯モデルが登場してきたことで、現200万画素以下クラスユーザー層の買い替えが期待される。

 
BCN総研は、東名阪のパソコン大手販売会社14社(エイデン、大塚商会、グッドウィル、コンプ100満ボルト、さくらや、上新電機、ソフマップ、九十九電機、T・ZONE.、デンコードー、ニノミヤ、ピーシーデポコーポレーション、ビックカメラ、ラオックス=50音順)679店舗(2003年4月現在)の日次販売データをデイリーで収集し配信するBCNランキングを公表しています。このデータをもとに、PCリテール市場の動向を分析したニュース配信を行っています(毎月第2、第4金曜日の発行となります)。

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