年末商戦期のデジタルカメラ店頭市場の動向
コンパクトな高画素モデルが人気集める
株式会社BCN(本社:東京都文京区、代表取締役社長 奥田喜久男)の市場調査部門であるBCN総研は、「BCNランキング」から年末商戦期におけるデジタルカメラ店頭市場の販売動向をまとめた。2003年はデジタルカメラ市場が大幅に拡大した1年だったが、年末商戦も好調に推移し、前年比で130~190%の水準で推移した。
2003年の年末商戦では、「300万画素クラス」、「400万画素クラス」がボリュームゾーンとなり、高画素化が進んだ。また、11月に発売された、ソニー「Cyber-shot T1」、カシオ「EXILIM ZOOM EX-Z4 シルバー」が人気を集め、ベンダーシェアの勢力図にも変化をもたらした。
図1 デジタルカメラ市場の販売指数と前年同期比推移




まず10月第1週を100とした販売指数の推移をみると、11月第2週にいったん販売は落ち込んだが、その後は大きく伸び、1月第1週は台数ベースで214、金額ベースで191と、10月第1週の販売の2倍にまで達した(図1)。前年同期比でみても、台数、金額ベースともに130~190%を達成。2003年はデジタルカメラ市場が大幅に拡大した1年だったが、年末商戦期もその勢いは衰えることなく、好調に推移した。
表1 デジタルカメラ市場の売れ筋比較(2002年12月、2003年12月)


売れ筋について前年同期と比べると、2003年12月は「300万画素クラス」が35%、「400万画素クラス」が31%を占め、ボリュームゾーンが「200万画素クラス」から高画素クラスへと移行した(表1)。光学ズーム機能は「3~4倍」が56%から77%にまで高まった。また、重量は「100~200g未満」が62%から79%へ高まるなど、この1年で高画素・高機能化と軽量化が急速に進んだことがわかる。一方平均販売価格は、「3~5万円未満」が5割強、次いで「1~3万円未満」が3割弱と2002年と同様の結果となった。高画素・高機能化とコンパクト化を実現しながら、価格は「3~5万円未満」という値ごろ感が、デジタルカメラの需要増につながっているといえる。
図2 デジタルカメラのベンダーシェア(台数ベース)推移


表2 2003年12月の売れ筋トップ10


次にベンダーシェア推移をみると、年末商戦前半の10月、11月は、キヤノン優勢で推移していたが、11月第4週 以降はソニーが逆転。また、カシオも追い上げ、1月第1週では0.1ポイントながらキヤノンを抜いて2位となるなど、激しいシェア争いが展開された(図2)。これは、11月に発売された新製品の影響が大きい。ソニーは、510万画素でカード型の「Cyber-shot T1」を発売、11月第4週から6週連続でランキング1位を堅持している。またカシオは、今年の春商戦で人気を集めた「EX-Z3」の400万画素モデルとなる「EXILIM ZOOM EX-Z4 シルバー」を発売、12月のランキングでは3位にランクインした(表2)。 より高画素でよりコンパクトなモデルを求めるニーズは高く、今後もこれらの製品が市場を牽引していくと思われる。
BCN総研は、東名阪のパソコン大手販売会社14社(エイデン、大塚商会、グッドウィル、コンプ100満ボルト、さくらや、上新電機、ソフマップ、九十九電機、T・ZONE DIY、デンコードー、ニノミヤ、ピーシーデポコーポレーション、ビックカメラ、ラオックス=50音順)670店舗(2003年12月現在)の日次販売データをデイリーで収集し配信するBCNランキングを公表しています。このデータをもとに、PCリテール市場の動向を分析したニュース配信を行っています。
株式会社BCN
113-0033 東京都文京区本郷3-18-14 本郷ダイヤビル6F
TEL 03-4236-5200 FAX 03-3818-3006
本件に関するお問い合わせは下記にお願いします。
株式会社BCN 井門 由香
- マーケティング支援サイト 実売・市況・ランキング「BCNマーケティング」
http://mkt.bcnranking.jp/ - デジタル生活応援サイト「BCNランキング」
http://bcnranking.jp/
これまでに配信したリリース一覧はこちら