デジタルカメラ店頭市場動向
市場拡大におけるデジタル一眼レフカメラの寄与率が急上昇
株式会社BCN(本社:東京都文京区、代表取締役社長 奥田喜久男)の市場調査部門であるBCN総研は、「BCNランキング」からデジタルカメラ店頭市場の販売動向をまとめた。その結果、デジタルカメラ市場の拡大傾向は続いているが、その伸び率は鈍化傾向にあることがわかった。そのなかで、市場拡大に対するデジタル一眼レフカメラの寄与率が急上昇している。成熟化を迎えるデジタルカメラ市場において、デジタル一眼レフカメラが成長の一翼を担っていることが明らかとなった。
図1 デジタルカメラ市場の前年同期比推移とデジタル一眼レフカメラの寄与率


デジタルカメラ市場は、2003年8月以降、台数、金額ベースともに前年比二桁増で推移し、とくに2003年年末商戦は前年比170%を超える水準を達成した(図1)。しかし夏商戦序盤戦を迎えた6月は、台数ベースで107%、金額ベースで103%と前年比増は達成したものの微増にとどまった。急成長を遂げたデジタルカメラ市場もその勢いは鈍化しつつあり、成熟がうかがえる。
成長が鈍化傾向にある市場のなかで、一眼レフタイプの製品群の販売は大きく拡大している。その結果、市場全体の拡大に対するデジタル一眼レフカメラの寄与率*1が急上昇し、2004年6月は38.7%まで高まった。成熟化を迎えるデジタルカメラ市場において、デジタル一眼レフカメラが成長の一翼を担っているといえる。
*1 寄与率=前年同月からの増減数÷市場全体の前年同月からの増減数×100
図2 デジタル一眼レフカメラのメーカーシェア(台数ベース)推移


参考 2004年6月の売れ筋トップ10


デジタル一眼レフカメラ市場の拡大を促しているのは、10万円台前半の「普及型デジタル一眼レフカメラ」で、2003年9月に登場した「EOS Kiss Digital」がこの市場に先鞭をつけた。2004年3月にはニコンからも「D70」が投入され、市場はさらに拡大した。デジタルカメラ市場における「一眼レフタイプ」のシェアは、「EOS Kiss Digital」登場前の2003年8月は0.6%だったが、直近の2004年6月では3.5%にまで高まり、小さいながらも着実にシェアを伸ばしている。2004年6月のランキングでは、コンパクトタイプが上位を占めるなか、ニコンの「D70」が20位にランクインした。
デジタル一眼レフカメラ市場は、「普及型」を投入しているキヤノンとニコンの2社の寡占状態が続き、6月はニコンが52.2%、キヤノンが46.4%と、2社で98.6%を占めた(図2)。しかし今秋にはオリンパスやペンタックスからも低価格モデルの発売が予定されるなど、デジタル一眼レフカメラ市場のラインナップは増加傾向にあることから、今後はメーカーシェア争いの激化が予想される。
BCN総研は、東名阪のパソコン大手販売会社13社(エイデン、大塚商会、グッドウィル、コンプ100満ボルト、さくらや、上新電機、ソフマップ、九十九電機、T・ZONE DIY、ニノミヤ、ピーシーデポコーポレーション、ビックカメラ、ラオックス=50音順)568店舗(2004年5月現在)の日次販売データをデイリーで収集し配信するBCNランキングを公表しています。このデータをもとに、PCリテール市場の動向を分析したニュース配信を行っています。
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