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電子マネーの利用に関する調査 利用経験者は限定的も、利便性高評価

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電子マネーの利用に関するアンケート調査
電子マネーの利用経験者は限定的だが、利便性による評価は高い


 株式会社BCN(本社:東京都文京区、代表取締役社長 奥田喜久男)の市場調査部門であるBCN総研では、Web上で電子マネーの利用に関するアンケート調査を行った。その結果、電子マネーの認知状況については、概ね知っているとする回答が6割強を占めたものの、電子マネーの利用経験者は3割台半ばと限定的で、現在電子マネーを利用している回答者は全体の2割弱に過ぎないことがわかった。
 電子マネーの利用意向について、利用未経験者では、『積極派』は16.8%を占めるにとどまっているものの、電子マネーの利用経験者での利便性に対する評価は高く、利用意向も『積極派』が7割強を占めている。
 電子マネーの利用を促進するには、様々な課題もあげられるが、電子マネーの利用可能な店舗・場所の拡充を図るとともに、セキュリティ面での安全性や利用上のメリットを訴求することなどにより、今後一段の飛躍の可能性を孕む市場を形成していくものと考えられる。

 
図1 電子マネーの認知状況

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図2 電子マネーの利用状況

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 BCN総研では、Web上で電子マネーの利用に関するアンケート調査を行った。有効回答数は1,723件で、電子マネーの認知状況では、概ね知っているとする回答(「機能などを詳しく知っている」+「概要を知っている」)が6割強を占めた(図1)。しかし、電子マネーを利用したことがあるとする利用経験者(「現在利用している」+「利用したことがある」)は3割台半ばで、「現在利用している」とする回答は全体の2割弱を占めるにとどまっている(図2)。電子マネーの認知状況は比較的浸透しているものの、実際の利用に関してはいまだ限定的になっているのが現状のようだ。

 
図3 利用経験のある電子マネーの種類(複数回答)

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図4 電子マネーを利用したことがある場所(複数回答)

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 電子マネーの利用経験者に、利用している(利用していた)電子マネーの種類を尋ねたところ、「Suica」が45.7%を占めトップで、次いで「Edy」(38.4%)、「WebMoney」(32.9%)と続いている(図3)。また、電子マネーを利用したことがある場所については、「電車・バス等の交通機関」(41.8%)が最も多く、次いで「インターネットショッピング」(37.1%)、「コンビニエンスストア」(31.2%)の順となっている(図4)。運賃の精算等に利用できる「Suica」の利用経験者が最も多いことなどから、利用場所としても「電車・バス等の交通機関」での割合が高くなっている。

 
図5 今後整備して欲しいこと(複数回答)

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 さらに、電子マネーの利用経験者に、電子マネーの利用で今後整備して欲しいことについて尋ねたところ、「利用可能な店舗などの場所の拡充」(67.3%)が6割台後半を占め最も多く、次いで「ポイントサービス等の付加サービスの充実」(57.3%)、「購入・チャージできる場所・手段の拡充」(50.6%)と続き、上位3項目はいずれも5割を超える水準となっている(図5)。

 
図6 電子マネーに対する評価

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図7 電子マネーの利用意向

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 電子マネーに対する評価としては、「非常に便利だと思う」(18.7%)、「便利だと思う」(45.4%)が合わせて6割台半ばを占めている(図6)。また、利用経験者の今後の利用意向では、「積極的に利用していきたい」(21.9%)または「利用していきたい」(48.9%)とする『積極派』が7割強を占めている(図7)。小銭を持ち歩かなくてよい点や支払い時の迅速性などが利便性として評価され、利用意向の高さに繋がっていると推察される。

 
図8 電子マネーを利用したくない理由(複数回答)

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 なお、電子マネーの利用未経験者における利用意向では、「利用したい」(5.0%)、「なるべく利用したい」(11.8%)とする『積極派』は16.8%を占めるに過ぎず、「利用したくない」(7.6%)、「あまり利用したくない」(19.2%)とする『消極派』の26.8%を下回っている。電子マネーを利用したくない理由としては、「セキュリティの面で不安だから」(66.2%)が6割以上を占め、以下「使用するメリットがないと思うから」(45.7%)の順となっている(図8)。

 電子マネーの利用については、利用可能な店舗や場所が限定されているなど整備すべき事項も多いが、電子マネーの利用経験者での利便性に対する評価は高くなっている。今後は、利用可能な店舗・場所の拡充など、利用者の利便性の向上を図るとともに、現時点では、利用意向が低い利用未経験者に対して、セキュリティ面での安全性などや利用上のメリットなどを訴求することが普及に向けた課題となってくると思われる。

 
■調査概要
調査期間:2005年3月18日~22日
調査方法:弊社ホームページ(WebBCN)でのアンケート
回答数:1,723件

■回答者のプロファイル
性別:男性 64.8% 女性 35.21%
年齢:30歳未満 7.3% 30~40歳未満 31.9% 40~50歳未満 40.6% 50~60歳未満 14.4% 60歳以上 5.7% 不明 0.2%
PC利用歴:3年未満 3.0% 3~5年未満 10.4% 5~10年未満 37.4% 10~15年未満 20.4% 15~20年未満 12.2% 20年以上 16.6%
 
BCNでは全国のパソコン専門店、家電販売店17社(アロシステム、エイデン、大塚商会、ギガスケーズデンキ、グッドウィル、さくらや、上新電機、ソフマップ、ZOA、九十九電機、T・ZONEストラテジィ、デオデオ、ニノミヤ、100満ボルト、ビックカメラ、ピーシーデポコーポレーション、ラオックス=50音順)1,535店舗(2005年3月末現在)の日次販売データをデイリーで収集し配信するBCNランキングを公表しています。このデータをもとに、PCリテール市場の動向を分析したニュース配信を行っております。

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