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コールセンター利用率、PCスキルによる格差大

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コールセンター利用率、PCスキルによる格差大
FAQなど自己解決型サポートの拡充と誘導策がカギに


 株式会社BCN(本社:東京都文京区、代表取締役社長 奥田喜久男)は3月14-15日に「PCメーカーのサポートに関するアンケート調査」をWeb上で実施した。この結果、PCで問題が発生した際の解決策は「メーカーのコールセンターで対応」が約2割を占めてトップ、次いで「取扱説明書で対応」「メーカーのFAQで対応」が上位を占めた。解決策をコールセンターや知人など外部に求める「他人依存解決型」と、取説やFAQなどを通じて自ら問題解決にあたる「自己解決型」に大別すると、後者が前者を上回り、自ら問題解決を目指す機運が高いことが分かった。ただ、ユーザーのスキルによる格差は大きい。スキルの高いユーザーほど、コールセンター利用率は低くFAQ利用率は高いが、逆にスキルの低いユーザーでは、センターは高くFAQは低い、対照的な結果が現れている。コールセンターは人的介在度が高いことからコスト部門と位置づけられ、改革の必要性が以前から指摘されてきた。コスト圧縮に向けて、可能な限り電話サポートの低減化を目指す一方で、実効性の高いネットサポートの拡充と、そこへの誘導策が焦点となりそうだ。

 
図表1 問題発生の有無

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 アンケートの有効回答数は1321件(男性64.7%/女性35.3%、年齢平均43.1才、PC利用歴平均11.0年)。このうちナショナルブランドPCを利用する回答者に、PCを利用中に問題が生じたことがあるかと聞いた結果、82.7%が「問題発生あり」と回答した(図表1)。こうした問題発生時の解決策を複数回答で集計(回答数ベース)したのが図表2である。

 
図表2 解決策:複数回答

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 このなかで、もっとも比率が高いのは、「メーカーのコールセンターで対応」が19.2%を占めてトップ。次いで「取扱説明書で対応」(17.9%)、「メーカーのFAQで対応」(14.3%)がベスト3を占めた。これらの解決策を他人依存解決型と自己解決型に大別してみると前者は39.1%、後者は60.5%で、ユーザーが自ら解決策を見いだし対応する比率が、他人依存による解決策を上回った。自己解決型の比率が高いのは、PC歴の平均が11年と長くPCに関する知識を持つ回答者が多いことが要因のひとつだが、同時にメーカーのFAQ集やネットでの検索が浸透しつつあることも見逃せない。

 
図表3 PCスキル別の問題発生時の解決策:複数回答

図表3


 こうした解決策を、回答者が自己判断したPCスキル別に切り分けてみると、スキルの高い回答者ほどコールセンター利用率は低く、スキルが低いほど高い。PCに「非常に詳しい」とした回答者のセンター利用率が14.0%だったのに対して、「まったく詳しくない」は32.1%に跳ね上がり格差が目立つ。スキルによる差はFAQ利用率にも現れている。「非常に詳しい」は20.8%に達したが、「まったく詳しくない」は5.7%にとどまり、大きな差が生じている(図表3)。

 
図表4 PC歴別の問題発生時の解決策:複数回答

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 一方、解決策をPC歴別に切り分けると、スキル別ほどの明確な相違は現れていないが、PC歴が長いほどコールセンター利用率は低下、逆にFAQ利用率は高まる傾向を示している(図表4)。

 PCメーカーは、サービス&サポートの一環としてコールセンターを重視するが、その一方で人的介在度が高いことからセンターコストの圧縮を課題として抱える。古典的な電話サポートに代わるネットサポートの必要性に迫られているのが実態だ。今回の調査結果でスキルの高いユーザーほど自己解決を目指す機運が高いことから、ユーザーのレベルアップをすすめる施策はもちろんだが、スキルを問わず誰でも利用できる実効性の高いネットサポートと、そこへの誘導策が改めてセンター改革のポイントになることを示している。

 
BCNでは全国のパソコン専門店、家電販売店18社(アロシステム、エイデン、大塚商会、ギガスケーズデンキ、グッドウィル、さくらや、上新電機、ソフマップ、ZOA、九十九電機、T・ZONEストラテジィ、デオデオ、ニノミヤ、100満ボルト、ビックカメラ、ピーシーデポコーポレーション、ベスト電器、ラオックス=50音順)2,197店舗(2006年2月末現在)の日次販売データをデイリーで収集し配信するBCNランキングを公表しています。このデータをもとに、PCリテール市場の動向を分析したニュース配信を行っております。

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