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デジタル製品が年末年始で大幅に値崩れ

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デジタル製品が年末年始で大幅に値崩れ ――わずか3か月で液晶テレビは15%、レコーダーは12%の単価下落


 デジタル製品の単価下落が進んでいる。特に11月から1月にかけての下落率が大きい。景気後退が大きく影響しているものと見られ、メーカー各社の業績を圧迫する要因にもなっている。全国主要家電量販店の実売データを集計する「BCNランキング」で明らかになった。


●この1年でノートPCが28%、液晶テレビが13%の単価下落

 液晶テレビやノートPCなど、主要デジタル7製品の平均単価の変動率を見ると、08年1月から09年1月までの13か月間で最も単価が下落したのがノートPC。下落率は28.0%にも及び、1月の平均単価(税抜き、以下同)は8万9200円と9万円を切った。携帯オーディオは1万4300円、コンパクトデジタルカメラは2万700円と16%を超える単価下落を記録している。また、08年前半はオリンピック需要などで単価が上昇していた薄型テレビだが、12月以降急速に値を下げており、09年1月時点で液晶テレビが9万7700円と10万円を切り13.0%の下落、プラズマテレビは14万8900円で15.6%と、それぞれ2桁の下落率を記録した。

 さらに、08年11月から09年1月までの3か月間で価格下落が最も激しかったのはプラズマテレビで19.2%。次いでコンパクトデジカメが15.5%、液晶テレビが15.0%、レコーダーが12.1%と、それぞれ短期間に平均単価が大幅に下がった。

 ノートPCの単価下落は、画面サイズが10.2インチ以下のいわゆる「ミニノートPC」台頭の影響が大きい。ノートPCに占める販売台数の割合も09年1月現在で26.0%まで拡大していることに加え、平均単価が4万7000円と格安なことから、市場構造をも大きく変えつつある。これに引っ張られる形で、売れ筋のA4ノートの価格も下落し、ノートPC全体の平均単価を大幅に押し下げている。

 例年では年明けで価格が一気に下がる薄型テレビだが、08年は価格下落のスタートが年末商戦のピークを迎える12月に前倒し。翌1月はさらに下落ペースが加速している。経済産業省が発表した機械統計の12月速報値では、液晶テレビの在庫が前年同月に比べ98.2%増とほぼ倍増していることもあり、これから3月の年度末に向け価格下落の傾向は続く見通し。携帯オーディオは06年、07年と大きな単価下落はなかったが、08年に本格的な下落トレンド入り。13か月で16.9%と例年にない大幅な下落率を記録した。

 BD(Blu-ray Disc)レコーダーの普及にともなって20%前後の単価上昇を維持してきたレコーダー市場だが、年明けの1月に前月比で一気に1割以上も急落。これまで順調に伸びてきた、レコーダーに占めるBDの割合が1月に減速したことが響いた。1月のBD比率は台数で56.1%。12月から8.3ポイントも大幅に縮小した。金額では71.1%と6.3ポイント減。いずれも08年11月なみの水準に後退している。その他、コンパクトデジカメは、秋に登場した新製品の影響で平均単価が上昇したものの効果は長続きせず、11月以降急速に下落に転じている。年末商戦に向けた新製品が好調だったこともあり、インクジェットプリンタは、単価下落は比較的緩やかだ。
 
図1 <主要デジタル製品平均単価下落率推移(08年1月基点)>
主要デジタル製品平均単価下落率推移(08年1月基点)

●値下げで需要は喚起され、台数伸び率に勢い、金額でも前年並みをなんとか維持

  こうした単価の下落が需要を喚起する効果は依然として大きい。特に昨年12月に販売台数が前年同月を8.7%下回ったプラズマテレビは1月に21.1%増と一転。さらに08年8月以降、前年同月比で3割を超える成長を続けているノートPCの好調も続いており、1月には48.3%増を記録した。また12月に2桁減だったコンパクトデジカメも、1月には2.3%増と好転。その他、携帯オーディオも17.3%増と12月に比べ13.1ポイント改善した。ただし、液晶テレビは、2桁成長を維持しているものの伸び率は鈍化している。

 一方金額ベースでは、08年12月に販売金額で前年同月を下回っていたプラズマ、ノートPC、携帯オーディオは1月に回復し前年を上回った。悪化する経済環境の中、金額でも前年並みを維持できている点は大きいが、安定的にプラスを維持するのは難しそうだ。インクジェットプリンタとコンパクトデジカメは復調はしているものの前年の水準までにはまだ開きがある。レコーダーは08年5月以降、金額ベースで2桁の伸びを維持しているものの、BD比率伸び悩みや価格下落の影響が懸念され、成長をどこまで維持できるかが焦点だ。
 
図2 <主要デジタル製品の販売台数前年同月比>(左)

図3 <主要デジタル製品の販売金額前年同月比>(右)


主要デジタル製品の前年同月比

 一方金額ベースでは、08年12月に販売金額で前年同月を下回っていたプラズマ、ノートPC、携帯オーディオは1月に回復し前年を上回った。悪化する経済環境の中、金額でも前年並みを維持できている点は大きいが、安定的にプラスを維持するのは難しそうだ。インクジェットプリンタとコンパクトデジカメは復調はしているものの前年の水準までにはまだ開きがある。レコーダーは08年5月以降、金額ベースで2桁の伸びを維持しているものの、BD比率伸び悩みや価格下落の影響が懸念され、成長をどこまで維持できるかが焦点だ。



 
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