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薄型テレビが7月に前年比54.2%と大幅増、強烈に効いているエコポイント

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薄型テレビが7月に前年比54.2%と大幅増、強烈に効いているエコポイント
――台数、金額とも年末商戦に並ぶ高い売り上げ水準


 薄型テレビの09年7月の販売台数前年同月比は54.2%の大幅増。金額でも30.2%増と、いずれも過去2年で最大の伸び率を記録した。7月としても例年にない大きな伸びを示しており、エコポイント制度が強烈に「効いている」状態だ。全国主要家電量販店の実売データを集計する「BCNランキング」で明らかになった。

 
図1 <薄型テレビ全体の販売台数・金額前年同月比と平均単価>
薄型テレビ全体の販売台数・金額前年同月比と平均単価

●7月は3月に続き年末商戦に並ぶ勢い、大型化も加速

 薄型テレビは例年、7月の夏ボーナス商戦ではあまり大きな盛り上がりをみせない。昨年は北京オリンピックの年だったが、7月は台数前年比19.5%増にとどまった。しかし今年は同54.2%増と大幅に販売台数が増加。この傾向は、エコポイント制度が始まった5月を境にして顕著になっている。6月下旬にエコポイントの交換商品詳細が発表されたこともあり、7月の大幅増につながったものと見られる

 薄型テレビ販売のピークは通常冬のボーナス商戦の12月で、3月がそれに続く。7月も3月に続く需要期ではあるが通常はそれほど大きな山を形成することはない。7月の販売台数は前年12月のピークと比べ6割程度の台数に収まることが多い。しかし今年の7月には昨年12月比で99.5%の販売台数を記録。年末商戦時とほぼ同規模の販売状況で、例年にない大きな伸びにつながった。さらに、販売金額も昨年12月に比べ94.4%で、こちらも年末商戦とほぼ同水準の売り上げを記録した。

 画面サイズ大型化のスピードも、エコポイントの影響で速まっている。特に40型台が大きく伸び、08年7月に19.4%だった構成比は09年の7月には23.2%と3.8ポイント拡大。50型以上も合算した大型テレビの台数構成比は、昨年の7月に比べ3.8ポイント伸びて25.6%と、全体のほぼ4分の1を占めるまでになった。サイズ帯別の販売台数前年同月比をみても、40型台が85.0%増と突出して伸びており、40型台の製品が大型化をけん引していることがわかる。

 
図2 <薄型テレビのインチサイズ帯別販売台数構成比>
薄型テレビのインチサイズ帯別販売台数構成比
 
図3 <30インチ以上の薄型テレビのインチサイズ帯別販売台数前年同月比>
30インチ以上の薄型テレビのインチサイズ帯別販売台数前年同月比

 特にシャープが4月、同社の液晶テレビで初の40型モデルを投入。この増分も40型台の拡大に大きく貢献した。40型の液晶テレビは、参入メーカーが少ないこともあり、これまで9割を超える圧倒的なシェアを握るソニーの独壇場だった。しかし、シャープの参入によって、7月には依然トップながらもソニーのシェアは55.1%と下落。41.4%とシャープが急速にシェアを伸ばし追い上げている。

 ●単価下落は一服、メーカーシェアでは東芝が躍進し2位に浮上


 一方、単価の下落には一服感がある。7月の税抜き平均単価(以下同)は10万9000円とほぼ下げ止まった。主要インチサイズ別の平均単価変動率をみると、1月以降に大きく下落しているサイズは少なく、昨年7月比でおよそ15%前後の下落で踏みとどまっている。

 
図4 <薄型テレビの主要インチサイズ別税抜き平均単価変動率>
薄型テレビの主要インチサイズ別税抜き平均単価変動率

 台数構成比で32.0%を占め、現在最も売れている32型は、1-5月にかけて単価がやや上昇。しかし6、7月と再び下落に転じた。とはいえ、まだ1月と同水準の8万7000円台でとどまっている。08年7月を基準とする平均単価の変動率(以下同)は、19.8%の下落。次いで売れている37型は11.4%の構成比。1月には平均単価13万円を切ったものの、以降持ち直し7月では13万8000円まで回復してきた。変動率は10.6%の下落で収まっている。伸びが著しい40型は、じりじりと下がってはいるものの、平均単価が15万円で同13.2%の下落。42型は、4月に平均単価が一時15万円を下回る場面もあったが、5-7月にかけて持ち直し、7月には17万2000円まで回復、13.2%の下落水準まで戻してきた。多くのサイズで価格の下げ止まりの傾向がみられ、これからの経済情勢によっては予断を許さないものの、この先は大幅な価格下落は避けられそうだ。

 メーカー別の販売台数シェアでは、比較的小型のサイズが好調な東芝が急上昇。これまで定位置だった4位から一気に2位までシェアを伸ばした。1位はシャープでおおむね40%台をキープ。一方、2位グループは混戦で、2位の東芝がシェア16.4%、3位のパナソニックが16.3%とほぼ横一線。ソニーも4位ながら15.4%と東芝とわずか1ポイント差だ。東芝躍進の背景は価格。比較的低価格な40型未満の製品の構成比が大きく、平均単価も上位4社の中で最も安い。そのため販売金額シェアでは順位が入れ替わる。1位はやはりシャープで42.2%。しかし2位は18.5%のパナソニック、17.0%のソニーが3位。4位が東芝で14.6%。いずれにせよ僅差であることは変わりなく、2位グループの混戦は続きそうだ。

 
図5 <薄型テレビ主要メーカー別販売台数シェア>
薄型テレビ主要メーカー別販売台数シェア
 
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