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薄型テレビの販売台数が前年比2.2倍と大幅増、旧基準製品売り切る動き加速

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薄型テレビの販売台数が前年比2.2倍と大幅増、旧基準製品売り切る動き加速
――4月実施のエコポイント対象製品変更がもたらす影響とは?


 4月にエコポイントの付与基準が大幅に変更されることにともない、対象外になる製品を中心として薄型テレビ全体の販売が急増している。3月第2週では、販売台数の前年同週比で121.5%増と、05年10月第1週以来最大の伸びを記録した。全国主要家電量販店の実売データを集計する「BCNランキング」で明らかになった。

●台数伸び率は05年秋以来最大、金額伸び率でも06年春以来最大

 総務省は2月19日、4月1日から導入するエコポイントの新たな基準を発表した。その直後から薄型テレビの販売が加速し、直近の3月第2週(3月8日-14日)では、販売台数の前年同週比で221.5%(121.5%増)、金額の前年同週比も181.0%(81.0%増)を記録した。販売台数では同225.3%(125.3%増)だった05年10月第1週(10月3日-9日)以降で最大、販売金額でも同183.1%(83.1%増)だった06年5月最終週(5月29日-6月3日)以来最大の伸び率になった。
 
図1 <薄型テレビの販売台数・金額前年同週比>

 新しい基準の導入によって、エコポイントの対象になる製品は半減する。2月時点での実売データをもとに集計すると、現在エコポイントの対象製品は全体の96.5%であるのに対し、4月以降もひき続き対象になる製品は48.3%。実に半数以上が新基準では対象外になってしまう。そのため、4月以降非対象になってしまう製品を3月中に売り切ってしまおうとする動きが広がっていることが、販売を拡大した。

 これは平均単価に表れている。4月以降も引き続きエコポイントの対象になる製品は、1月第1週(1月4日-1月10日)で税抜き平均単価(以下同)は10万8000円だったが、3月第2週は9万5000円まで下がった。この間の下落率は11.7%。一方、4月を境にエコポイントの対象外になってしまう製品は1月第1週で8万2000円だったものが、3月第2週は6万8000円と17.8%も下落、下落率では6.1ポイントの差が開いている。こうした価格の下落に加え、新生活需要が活発化し中・小型の製品を中心にテレビが売れるのが3月。年間を通しても年末に次ぐ大きな需要期だ。こうした要素も重なってたことも伸び率を大幅に押し上げた。

 
図2 <エコポイント対象製品の税抜き平均単価週次推移>


●4月以降大型化が一層加速か? メーカー別には異なるインパクト

 エコポイントに新基準が導入される4月以降については、まず画面サイズに動きがありそうだ。2月の実売データに現行基準と新基準をあてはめて画面サイズ別の台数構成比を比較すると(図3)、現行基準では25.9%を占める40型台の構成比が、新基準では37.5%と11.6ポイントも拡大。20型台の製品は現行基準では25.6%を占めているが、新基準では9.6%と16.0ポイントも減少する。30型台の製品では新旧の基準で大きな構成比の変化はないものの、こうした対象製品の変化に伴い、画面サイズの大型化がさらに進むものと考えられる。
 
図3 <2010/2月 エコポイント対象製品の画面サイズ別台数構成比>

 


 各メーカーが受けるインパクトにも違いがでてきそうだ。エコポイント対象製品でのメーカー構成比を新旧基準で比較したところ、プラスに作用しそうなのがソニー。現在すでに新基準を満たす製品の構成比が高いこともあり、現行基準では12.4%の販売台数構成比が、新基準では21.0%と8.6ポイント拡大する。逆にシャープは、現行基準では41.2%だったものが、新基準に限ると32.3%と8.9ポイント少なくなる。そのほか、東芝、パナソニックもそれぞれ2-3ポイント少なくなる。 
 
図4 <2010/2月 エコポイント対象製品のメーカー別台数構成比>

 


 3月の反動で4月は一時的に平均単価が上昇し、販売の伸び率は鈍化する可能性が高い。しかし、依然として「2011年7月のアナログ停波」「価格の下落」「エコポイント」の3点セットによって喚起されている薄型テレビの需要は衰えず、6月のサッカーワールドカップをひとつのきっかけとして再び販売が活発化。エコポイント終了間際の駆け込み購入などから、年末に向けては再び大きな伸びが期待できそうだ。

 

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