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倍増するリニアPCMモデル、ICレコーダー市場は超高音質が標準の時代に突入

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倍増するリニアPCMモデル、ICレコーダー市場は超高音質が標準の時代に突入


 ICレコーダー市場が堅調だ。販売台数前年同月比は5か月連続で2桁増を記録し、なかでも高音質で録音できるリニアPCM方式に対応したモデルが好調。リニアPCM対応製品に限ると前年同月比でほぼ2倍規模の売り上げが続いており、すでに市場の過半数を占めている。全国主要家電量販店の実売データを集計する「BCNランキング」で明らかになった。
●活況を支えるリニアPCMモデル

 リニアPCM方式に対応したICレコーダーの販売台数は2010年10月以降大きく伸びている。前年同月比では11月以降3か月連続で90%増を維持しており、ほぼ売上倍増の状態が継続。9月以降、ICレコーダー市場全体が販売台数前年同月比で10%増の水準で推移する原動力になっている。

 

図1 <ICレコーダーのうち、リニアPCM対応製品のみの販売台数・金額前年同月比と平均単価>

 
 録音時にファイル圧縮を行わないため高音質で、生演奏や自然音の録音など音質の高さが要求される場面で使われてきたリニアPCM方式。音質を劣化させずに記録できるメリットと裏腹に、録音時のファイルサイズが大きくなることが欠点だ。しかし、フラッシュメモリの値下がりにより、会議や習い事などの記録に使われている一般的なICレコーダーにも、大容量のメモリが搭載できるようになってきた。このため、リニアPCM方式に対応する製品が一気に増えてきた。

 

 MP3など、音質を多少犠牲にしてファイル圧縮しながら録音する方式のみに対応した従来型の製品と、リニアPCM方式にも対応する高音質製品の販売台数構成比は、10年秋から急速に拡大。11月にはついに過半数を占めるまでになった。平均単価も10年初頭ではほぼ1万5000円の水準を維持していたが、9月には1万3000円台に下落。11年1月では1万1000円台にまで下がってきた。こうした価格の下落も普及に拍車をかけている。

 
図2 <ICレコーダー タイプ別販売台数構成比>

 
●主要3社そろって本格対応で市場がさらに拡大

 ICレコーダー市場全体のメーカーシェアは、オリンパスとソニーの2社がそれぞれ30-40%前後で1位を争っており、3位の三洋電機が20%前後のシェアで追う状況。一方、リニアPCM対応モデルのみに絞ると、低価格モデルにいち早く搭載した三洋のシェアが過半数を占める状態が続いていたものの、10年秋にオリンパスとソニーが対応モデルを一気に拡大。11年1月ではソニーが40%に迫る勢いでトップに立っている。

 
図3 <ICレコーダー全体 メーカー別販売台数シェア>

 
図4 <ICレコーダーのうち、リニアPCM方式対応製品のみのメーカー別販売台数シェア>


 リニアPCM方式の普及で、例えば会議の音声録音でも、高音質で録ることが可能になってきた。一見無駄に思えるほどの高い音質だが、鮮明に聞き取れるため、聞き間違いや聞き漏らしを減らすことができるという利点がある。さらに、より臨場感に富んだ音が記録できるため、会話の中の微妙なニュアンスや空気感も再現することが可能になるなど、音楽以外の一般用途でも「音がいい」メリットは大きい。映像の世界ではフルHD画質が標準になりつつあるように、音の世界でもリニアPCMによる極めて高い音質が標準になりつつあるといえるだろう。
 
BCNでは全国の量販店23社(アベルネット、アマゾン ジャパン、エディオン、NTTレゾナント、大塚商会、グッドウィル、ケーズホールディングス、サードウェーブ、サンキュー、上新電機、スタート、ストリーム、ソフマップ、ZOA、ナニワ商会、ビックカメラ、ピーシーデポコーポレーション、ベスト電器、三星カメラ、ムラウチドットコム、MOA、ユニットコム、ラオックス=50音順・2011年1月1日現在)の日次配信データをデイリーで収集し配信するBCNランキングを公表しています。このデータをもとに、PCリテール市場の動向を分析したニュース配信を行っています。

*集計対象の社数は、当社と販売店との間でデータ提供契約を締結している法人数をカウントしております。

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